団体が去り、先着の男性たちも去り、独りになった。
スケッチのチャンス!スケッチブックも、絵の具もちゃんと持ってきている!
けれど・・・秋の夕暮れは早い。風も冷たくなってきた。
呑気にお絵描きしている間に後から黒い影がぬっ、と現われても難儀だ。
泣く泣く展望台を後にする。
駐車場分岐に戻る途中で、向こうから団体がやってきた。
歩き始めの時追い越した方たちらしく、「あら、早いわね〜!」と声をかけてこられた。
このツアー団体登山というヤツ。
賛否両論。非難を浴びることも多々あるけれど、何といってもお手軽。
時々、ぐらっとココロが傾きかける時がある。
近郊の山なら車を走らせ、独りでも行ける。でも、遠征するとなるとなかなか独りでは難しい。
思わず申し込みそうになって、思いとどまる。
他の方に迷惑をかけずに付いていけるかどうか、自信が持てない。
それに何より、行動の自由を束縛される息苦しさに耐えられるかどうか自信がない。
それでも、この冬遂に、地元の登山用品店主催のスノーシューツアーと、大手旅行会社の冬の上高地スノーシューツアーに参加してしまった。
結果的には、片やスノーシューの基本を習得出来たし、上高地ツアーでは思いがけずほとんど自由行動という嬉しい内容だったけれど・・。
横道にそれてしまった。
駐車場への分岐まで戻り、道を右にとる。復路はこれからずっと駐車場目指して登っていくことになる。
すぐに逆川に架かる鉄の支柱の吊橋を渡る。側にブナの大木。
すぐに、も一つ同じような吊橋を渡り、幅の広い道を登っていく。
時折、木々の合間から小処温泉への尾根が見える。
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