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ルネのきままなアトリエ
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奈良県桜井市:音羽山
音羽山852m、経ヶ塚山889m、熊ヶ岳904m

2006年12月11日(月) 
晴れ
 単独

大和盆地に島のように浮かぶ大和三山の一つ、耳成(みみなし)山近くの自宅から、南東方向に毎日眺めている山が音羽三山だと知ったのは、つい数年前のこと。

ずっと何年も、談山(たんざん)神社がある多武峰(とうのみね)辺りの稜線が見えていると思っていた。

音羽三山。
音羽山、経ヶ塚山、熊ヶ岳の三つのピークが談山神社の東に連なる。

11月の談山神社、御破裂山に続いて、故郷大和の再発見の山歩き。
コース 広域地図  コース
11:40 下井バス停付近(駐車)
12:26〜12:44 観音寺(善法寺)
13:23〜13:28 音羽山
14:01 経ヶ塚山
14:06〜14:40 鞍部途中露岩(昼食)
15:05
熊ヶ岳
15:37 大峠
16:09 針道養鱒場
16:28 不動滝
17:00 下居駐車地




藤原宮跡付近から見た音羽三山
この数日雨が続いている。
今日は久しぶりにすっきりと青空が広がっている。
が、この天気も今日だけで明日からまた雨とのこと。

こんな日に山を歩かなくてどうする!・・・と飛び出したのが既に昼近くになっていた。

自宅から南にすぐ藤原宮跡。
天の香具山の後に音羽三山と多武峰が半ば重なって見える。


桜井から談山神社への道に入り、しばらく走ると下居(おりい)の集落。
バス停の先の橋を渡り、駐車地を探す。今日は、三山を巡り、二つ先のバス停不動滝に下山、ここまで車道を戻ってくる周回コースを歩くつもり。


車道を5分ほど上り、路肩に駐車。
身支度を整え出発。



すぐ横に可愛らしい動物のイラストに音羽の里と書かれた看板。
空は青く、12月とは思えない陽気で、すぐに汗が吹き出してくる。

少し上ったカーブの所、大和盆地が見渡せる。




10分ほどで南音羽の集落。
立派な民家の間をしばらく行くと、上から頭をきれいに丸めた若い尼さんが車で下りてきた。
今日登る音羽山の中腹にある音羽山観音寺(善法寺とも言う)は尼寺とのこと。
そこの方だろうか・・?
集落の先、左に観音寺への参道が分岐している。右は百市(もものいち)に下りていく道。
後で観音寺のご住職に聞いたのだけれど、分岐の手前の右手広場がお寺の駐車場とのこと。


駐車場に車を停め、三山を回った後不動滝から一つ下の百市から右に林道を辿ると、駐車場への近道。猛烈なスピードで車が行き交う談山神社への道を延々と歩かなくても済むとのこと。尾根を乗り越す林道なので、少し登って下ることになるらしいけれど。


ここから先の観音寺への参道が、思いのほかきつかった。

「お寺には車や単車では行けません」の表示があるが、ぎりぎり通行できる
幅もあり、轍の跡もあり、物資の運搬などは車を使うのかもしれないけれど、とにかく急勾配。

明神平への大又林道の終点もすごいけれど、勝るとも劣らない坂道が延々と続く。


道沿いにところどころあるイラスト付きの標識が和ませてくれる。

いい加減歩いて、そろそろかな・・と思った頃
「もう半分近くまで来ました!ちょっと、いっぷく」の標識を見た時には、思わずもう引き返そうかなと思ってしまった。

このイラストそっくりの住職さんでした

薄暗い道が続く かわいいお地蔵さんも

車を停めた所から50分近く、やっとお寺の山門が見えてきた。




山門へと続く石段の途中の広場に、苔の上に一面に紅葉がうず高く降り積もっていた。
午後の柔らかな陽射しの中で、一層鮮やかに浮かび上がっている。

すっかり落葉してしまった木々の枝が、紅葉の絨毯の上にくっきりと影を落としている。

今日の山は、ほとんど展望はないとのこと。
でも、こんな景色を目にすることが出来ただけで、ここまで登ってきた甲斐があった。


境内に入ると、正面に本堂。
ザックを下ろし手を合わせていると、左手の庫裏からご住職らしき方が出てこられた。
柔和な笑顔の明るい方だった。私とそれほど年齢は違わないだろう。

聞くと、今日は朝から37人のツアー登山が登っていったとのこと。ここで昼食をとって、1時間ばかり前に出発したらしい。
今日は独りの山と思っていたけれど、他にも誰かが歩いていると思うと、何とはなしに安心する。
2,3日後にも団体が来るらしかった。

「ここまでの道、大変ですね。」と、住職さんにお寺までの急な参道のことをお聞きすると、
「唯一の生活道路です」と明るく笑っていらっしゃった。

境内は、大して広くない。
右手に「お葉つきイチョウ」の巨木。葉に実を結ぶ珍種。
春に登った榛原の額井岳近くの戒長寺にもお葉つきイチョウの巨木があったっけ。

本尊は千手千眼十一面観音立像で、眼病にご利益があるとのこと。
創建は飛鳥時代にさかのぼるらしい。

県指定天然記念物
お葉つきイチョウ

(目通り4.8m 高さ25m)
落葉し終わっていた

地面にはおびただしい落ち葉・・


荒れた小沢を登る

ご住職に別れを告げ、境内の右端にある不動堂の横から山道に入る。
石がゴロゴロした小さな沢を登っていく。
普段は涸沢かもしれないけれど、この数日の雨で水がかなり流れている。

ところどころ杉の倒木が道を遮っている。
沢を離れ、クマザサと桧が密に植林された中をひとしきり登る。
梢の隙間から望む空は青く明るいけれど、それだけにより一層、辺りが薄暗く感じられる。

お寺から40分ほどで、道が二手に分かれており、左手すぐが音羽山山頂だった。
植林帯の中。
展望は全くない。

胸の丈ぐらいのクマザサに覆われた植林帯



●音羽山山頂(852m)  13:23〜13:28●


薄暗い山頂


角が取れ丸くなった三角点


もう1時半、お腹も空いているけれど、こんな薄暗い所は早く去りたい。
パンを一つほおばって、早々に山頂を後にする。



経ヶ塚山への登り
ずっと植林帯の道は続く。
いったん経ヶ塚山との鞍部近くまで下りたところで、ザックにくくりつけてあったサンバイザーがないことに気付く。
・・山頂で落としたのかも・・・。

息を切らして山頂まで戻ったが、ない。
お寺の方へ少し下りかけたけれど、落ちていそうにない。
もしかしたら、お寺のすぐ近くで落としたのかもしれない。早めに下山できたら下から探しに来よう。


いったん諦めて先ほどの道を戻り、経ヶ塚山への道を辿る。

経ヶ塚山へも、同じような植林帯の道。
数日来の雨で土が滑る。
鞍部からの登りもたいしたことなく、音羽山から30分ほどで山頂に着いた。



●経ヶ塚山山頂(889m)  14:01●
山頂のみ自然林に囲まれ、石灯籠が立っている。
ここも展望はなし。

ここが談山神社の鬼門に当たるため、経文をこの地に埋めたことから経ヶ塚山の名があるらしい。

この先、鞍部への途中、展望の開けたところがあると聞いている。お昼はそこで食べることにして先を急ぐ。


山頂から鞍部に5分も行かないうちに、行く手の展望が開ける。
正面に熊ヶ岳の整った山容。



正面に熊ヶ岳

左に大宇陀の集落。
その後に、見える山並み。・・・?・・あれは高見山?
その右手に延々と連なるのは、台高山脈・・・。


大宇陀の向こうは台高山脈?   ひときわ高いのは、高見山・・・か?


展望のいい露岩の下りの途中で、一人がやっと座れるぐらいのスペースを見つけ、遅い昼食にする。


今日も鍋焼きうどん(海老天・温玉入り)!
当分、飽きるまで続きそう・・(;^_^A・




熊ヶ岳への登り

お腹もいっぱいになり、さて残り一つの山頂を目指す。

露岩から鞍部まで、距離は短いものの結構キツイ下りだった。
鞍部から熊ヶ岳への登りが始まるが、ここもやはりクマザサに覆われた植林帯の薄暗い道。

何度かアップダウンを繰り返しクマザサが生い茂る道を進む。
進むほどに、クマザサが登山道を覆いつくす。
まるで笹の海を泳ぐような感じで、笹を掻き分け掻き分け尾根芯をはずさないように注意深く進んでいく。

事前にネットの情報で調べた時には、9月に登られた方の記録だったので、笹が今よりもっと勢いよく生い茂っており、かなり苦戦したらしい。


何度か痩せた尾根も通り、クマザサの斜面の上が少し明るくなり、山頂に着いた。

クマザサをかき分け進む


●熊ヶ岳山頂(904m)  15:05●

やはり、植林とクマザサに囲まれた展望なしの広場。

熊ヶ岳

音羽山、経ヶ塚山と、何やらゆかしい名前の山が続き、最後がこの名前とはちょっと興ざめの感じ。

写真だけ撮って先を急ぐ。
5分ほど行くと、右手樹林の隙間から二上山と耳成山が見えてきた。
我が家はあの耳成山の側にある。

毎日あそこからこちらを見上げていたのだ。
夏の夕立や晩秋の時雨は、必ずと言っていいほどこの多武峰からやってくる。
山が白く雨に煙りだすと、しばらくしてザアーっとやってくるのだ。


そんな生活に密着した山というのか、見慣れた山の稜線に初めて足跡をしるし、そこから自宅を見下ろしているというのが、何とはなしに嬉しい。

二上山 耳成山も

更にしばらく行くと、木々の途切れたところがあり、展望が開けている。
正面に竜門岳への稜線。
右手に金剛山、葛城山が横たわっている。

すぐ向こうの多武峰の中腹に談山神社の境内がぼんやりと望めた。


遠くに金剛山・葛城山   手前は多武峰・・右手中腹に談山神社の境内が見える



電波反射板
更にクマザサに覆われた歩きにくい道が続く。いくつか小さなアップダウンを繰り返と、電波反射板が設置された856m峰に出た。

ここからも、木の間越しに耳成山が望めた。
自宅も見えていそうな・・。

反射板の前から右にぐんぐん降りる。
反射板点検のために整備されているのか、割と歩きやすい道。

あ、我が家だ・・・


薄暗い大峠

反射板から5分程で大峠。
小さな祠の後を真っ直ぐ南に進むと竜門ヶ岳へと続く。
祠の側に「女坂伝承地」の石碑。

神武天皇東征の際、大和の土着民の首長を討伐するよう攻撃をかけた「大峠女坂」だと伝えられているとのこと。
大峠から右折。
山道を下ること7,8分で針道からの林道終点に出た。

林道に出ても、夕闇が忍び寄った山の中は相変わらず薄暗い。

植林が途切れて針道の集落が見えてきた時には、正直ほっとした。

暗い林道を下る


針道はずれの養樽場 振り返ると熊ヶ岳付近の稜線

旧道を跨ぎ大宇陀への道が建設中 やっと不動滝に下りてくる

不動滝から、猛スピードで行き交う車の排ガスを受けながら、下居へと下る。

途中、ご住職に教えていただいた寺の駐車場への近道は、百市のバス停の少し上の橋を渡るらしかった。
今日はかなり下の方に車を停めてあり、夕闇も迫っていたのでそのまま車道を下る。
下居まで20分余り。寺川の橋を渡り駐車地まで更に5分登り車に戻ってきた。

時刻は既に5時。辺りはもう真っ暗だった。


下居に戻ってきました

音羽三山を歩いたという満足感はあるものの、何かすっきりしない。
山道のどこかに残してきたサンバイザーのことが気がかりだった。
このサンバイザー、かなり傷んでいるけれど、数々の山を共にした愛着のある品。簡単には諦めきれない。山道のどこかでぽつんと転がっているかと思うと、心が痛む。

心を山に残しつつ、自宅への道を急いだのだった。





ところで、翌日は雨。
朝から用事があり、午後3時近くになってから少し小降りになったので行ってきました。サンバイザーを探しに。

観音寺参道手前の駐車場まで車で上り、霧に白く煙る坂道を駆け上がること30分。
境内から更に山道を20分ほど歩くと・・・道の真ん中に、雨にぐっしょりと濡れたサンバイザーが土まみれで落ちていました。

しっとりと雨に煙るお寺の境内。
散り敷いた紅葉を濡らす小糠雨。
昨日にも増してひっそりと佇む山寺の風情をしみじみと感じながら、駐車場までの長い参道を下ったのでした。





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