ルネのきままなアトリエ
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上:カタクリ峠付近  下左:カタクリ  右:エンレイソウ




滋賀県東近江市・標高1247m
 2006年5月1日(月) 
晴れ
 Floraさんと


コース 広域地図  詳細地図
9:05 コグルミ谷登山口(駐車)
9:50 長命水
11:00〜11:10 カタクリ峠
12:40 御池岳(丸山)1247m
13:00〜13:55 ボタンプチ(昼食)
15:10〜15:25 鈴北岳1182m
16:35 鞍掛峠
17:00 トンネル東口

花の山として知る人ぞ知る御池岳。かねてより登ってみたいと思っていた山。
藤原岳の天狗岩から、また、福寿草咲く霊仙山からその姿を見るにつけその思いは深まっていった。

GWど真ん中の平日、「はいきんぐ・おきらく」のFloraさんに案内をお願いして、ご一緒することになった。

Floraさんとお会いするのは、一年半ぶり。一昨年秋の「我が道を行く!」のwolfgangさん主催の三津河落山以来である。

伊賀市の某所にて午前7時に待ち合わせ。
ちょっと早めに着いたかな・・・と思いひとまず車を止めて待っていると、向こうから見覚えのある顔が手を振りながらこちらに駆けてくる。
Floraさんだ!
彼女の方が先に着き、向こうに車を止めていたらしい。

一年半ぶりの再会。
何だか気恥ずかしいような・・・。

久しぶり〜!!元気やった〜?
いや〜、Floraさん、全然変わってないやん〜!!若い若い!!

この年になるとこれが最高の褒め言葉・・・だと私は信じて疑わない。(だって、自分もそう言ってもらいたいものね〜(^〜^;)
ま、実際、Floraさんは私より遥かに年下で、若々しいのだけれど・・・。

余談ながら、2年前、Floraさんwolfgangさんと3人で雨乞岳をご一緒したことがある。その時、雨乞の山頂でお会いした方に
「(3人は)同級生ですか?」と訊かれたことがある。そんな何でもない一言、お二人は覚えていらっしゃるわけもないと思うが、私はしっかりと覚えている。
その時の雨乞の山の様子は時とともにおぼろげになってきているが、その一言だけは今も鮮やかに蘇る。そして、今日を生きる励みになっている。(・・・って、他に生きがいはないんかい・・・┐( -_-)┌)

言うまでもないが、wolfgangさんも、遥かに年下。

いかんいかん、この調子ではいつまでたっても山行レポに辿り着けない・・・(^〜^;)

Floraさんの車に同乗させていただき、今日のコースの登山口、コグルミ谷に向かう。
車の中でも積る話に花が咲き、あっという間に登山口に到着・・・のように思えたが、登山口まで更に2時間近くかかった。

登山口付近は丁度木々の芽吹きが始まっていた。
山の斜面の初々しい新緑の合間に山桜が薄桃色に彩りを添え、例えようもなく美しい。

そそくさと準備をして出発。準備をしている間にも中高年のパーティが登っていく。
芽吹き始めた木々の中、コグルミ谷沿いに道は続いている。

対岸の斜面・・・芽吹きと山桜 芽吹き始めた谷を遡る

登山道の傍らにはミヤマカタバミ、ネコノメソウ、ニリンソウなどが可憐な姿を見せてくれる。Floraさんに花の名前を教えてもらいながら、ゆっくりと登っていく。

ピンクがかったミヤマカタバミ 花に見入るFloraさん
次から次へ姿を現す花々をデジカメに収めながら、45分ほどで長命水着。
その名の通り長命の霊験あらたかな湧き水らしい。。
こりゃあ飲むしかない。
両手ですくい、何杯も頂く。(オバチャンは限度というものを知らない・・・┐( -_-)┌)
心なしか、足が軽くなった気がする。早くも効果が現われたのかもしれない・・・。

長命水

クリックで大画像


融け残った雪・・・厚さ2メートルはあるかも・・・
長命水を過ぎ、尚も谷沿いの道を辿る。
所々に融け残った雪渓が谷を埋める。

この後、大きな岩のところで左折。道は山腹を登っていく・・・というのは後で分かったこと。
左折せず、そのまま谷の左岸を登っていったのだ。
ふと右岸を見るとリスがちょろちょろと斜面を行ったり来たり。何とも可愛らしい。

ところが、先程まであんなにはっきりしていた道が、次第に不明瞭になってくる。ふと不安になるが、目の前の枝先にはリードが付いている。
振り返ると、数十メートル後ろにも何人かの登山者の姿。う〜ん、やっぱ、ここでいいのかな・・・それにしても・・・。

地図で確認すると、長命水を過ぎてから道は大きく左に曲がっている。どうやら左への曲がり道を見落としたみたい・・・。で、潔く引き返すことにする。
Floraさんと「またあの二人か・・・」とK氏あたりから呆れられるかもね・・・などと苦笑しながら・・・。

ところが引き返す途中、後ろから登ってきた高年のご夫婦に
「この先道がありませんよ」と声を掛けたのだが、
「トレースがはっきりしているから、間違いありませんよ。リードだってあるし」との返事。
お二人は振り返ることもなく登っていってしまった。
あの後どうされたのだろう。少し気にかかる。


次第に道は不明瞭になっていく

大岩まで戻り、山腹を行く道に入る。
潅木の斜面を緩やかに登る。この辺り、芽吹きはもう少し先になりそう。

カタクリ峠が近づくにつれてちらほらとカタクリの葉が目立ち始めるが、花はどこにも見当たらない。カタクリ峠で、やっと鳥の嘴のような蕾を数本見つけた。

大岩を上から見下ろす 斜面を緩やかに登る(見下ろしたところ)

6合目カタクリ峠 クリックで大画像 カタクリの蕾

カタクリ峠からは右に緩やかな尾根を登っていく。
道の両側にはバイケイソウの群落。
裸の木々の林の中にあって、バイケイソウの緑が新鮮だ。

八合目の手前で野鳥観察をしている青年に出会った。
この辺りはこれから珍しい野鳥がたくさん観られるらしい。
道を横切っている倒木には、つい先日までアカゲラが営巣していたとのこと。幹の裏側に手をやると、直径10センチほどの穴が開いているのが分かった。
しばらく青年から、これから観られる野鳥の話を聞くが、哀しいことにその半分も記憶に残っていない。老いるというのは哀しいことである。(え?記憶力の悪いのは昔からだって?・・・。)

青年はこれから下山するところ。
「もう一度、私たちと一緒に引き返しましょう!!」としつこく誘ったが、上はまだ鳥を観るには時期が早すぎるからと登り返してはくれなかった。決して私たちに魅力が足りなかったわけではない。断じて。

バイケイソウ 野鳥観察の青年と アカゲラが営巣していた倒木

八合目のお地蔵様・・・頬を寄せ合う姿が微笑ましい

八合目からは小さな沢を詰めていく。
沢の源頭付近はまだ雪がかなり残っていて、残雪の上を歩くことになる。
最後に大きな残雪の上を右に登ると、そこが御池岳(丸山)の山頂だった。

所々雪の上を歩く 山頂間近の残雪

山頂は木立に囲まれた、石灰岩のごろごろした広場。展望は一方向のみ。
登山者が7,8人昼食をとっている。
記念写真だけ撮ってボタンプチへと急ごうとすると、食事をされていたご夫婦が「そちらには何があるのか」と声を掛けてきた。
ボタンプチに行く人は少ないのかもしれない。山頂にはボタンプチへの道標もない。

御池岳(丸山)山頂 クリックで大画像

5分も歩かないうちに、前方に広々とした台地が見えてきた。
これがボタンプチ・・・か・・・。
いろんな人の記録で目にしていた風景が今、目前に広がっている。
台地の向こうには鈴鹿の山々。
黄砂のせいか、だいぶ霞んでいるけれど・・・。

台地の向こうに鈴鹿が・・・
台地の端、天狗の鼻近くまで来ると、下から強い風が吹き付けてきた。
もう少し先の突端まで行って昼食にする。
丸山からここまで、誰にも出会わなかった。向こうにも人影はない。

台地の突端は素晴らしい景色が広がっている。残念ながら藤原岳は台地の東端に遮られて見えないが、鈴鹿の山々が延々と南に峰を連ねている。

振り返れば、ボタンプチの広大な笹原の台地が広がっている。


ボタンプチより南を望む  中央遠くに御在所岳、雨乞岳、綿向山
振り返ればボタンプチの広大な笹原が広がる 中央右寄り:御池岳(丸山)
さて、とりあえずお昼ご飯にする。
今日はFloraさんとの再会を祝してすき焼きだ!
超高級榛原牛・・・といきたいところだけれど、予算の関係で、ま、並の上・・・で我慢してもらう。この方が下痢ピーにならなくていいかも・・・。

う〜ん、美味しい〜! 風でセットが乱れる〜 はい、もう一枚!

食事が終わる頃になって、ちらほらと登山者がやってきた。
コグルミ谷起点コースでは、私たちが最後かと思ったけれど、訊かなかったけれど逆周りコースで登ってこられたのかしらん。

天狗の鼻

ゆっくり食事を終え、眺望も満喫しボタンプチを後にし、先程の御池岳山頂までいったん戻る。

バイケイソウが芽吹き始めた道を緩やかに登っていく。
この辺りは冬は相当雪が深いのだろうか。
雪の重みで捻じ曲がりながらも上へ伸びていく木々。
石灰岩の上に根を張り、石を抱え込むようにして逞しく生長していく木。過酷な自然の中でそれぞれ精一杯生きている。


ボタンプチから御池岳(丸山)へ登り返す

山頂から池の平に向けて緩やかな下り。
10分も行かないうちに、右から真の谷からの道と出合う。左、鈴北岳への道をとる。


花を見ながらゆっくり下る キクザキイチゲ 右へ行けば御池山頂を回避してコグルミ谷に出る

広いなだらかな平原の中央をしばらく行くと、左手に池が見えてきた。池とは言うものの、まだほとんど雪に覆われている。地図で確認すると、真の池というらしい。
で、この辺りが池の平か。

辺り一帯、つい先日まで雪に覆われていたのか、地面の茶色く枯れた草がまだ倒れたままだ。1,2週間もすれば青々と草の茂る快適な散歩道になるんだろうな。

雪に覆われた真の池・・・ドリーネに水が溜まった? 池の平のあちこちに見られるドリーネ

前方の斜面の所々にカレンフェルトの地形。ホントに日本庭園を見ているよう。
それに、あちこちに大きくえぐれたすり鉢上の窪地。ドリーネと言うんだったっけ・・・。深いものでは5,6メートルはえぐれて、そこに雪が残っている。
次から次へと面白い地形が現われる。

池の平 向こうの小高い丘が鈴北岳  振り返ると日本庭園の向こうに御池岳(左の丘)

鈴北岳山頂も360度の眺め。
正面には、霊仙山がどっしりと横たわっている。その右手、写真ではそれと分かりにくいけれど、薄っすらとと伊吹山が姿を見せている。
3週間前に、福寿草に埋め尽くされた西南尾根からこちらを眺めていたことが、つい昨日のように思い出される。

正面に霊仙山  右手薄っすらと伊吹山

鈴北岳山頂から池の平方面を眺める  左:小さく藤原岳が姿を見せる  中央:御池岳(丸山)

山頂で一眼レフのデジカメ一つを持ったオジサンと出会う。鞍掛峠から青いキクサキイチゲを探して歩いているうちに山頂に着いてしまったとのこと。
お目当てのその花は、山頂近くに一輪だけ咲いていたらしい。

オジサンに続いて私たちも下山する。
ここから鞍掛峠まで鈴北岳の北尾根を一気に下っていく。

正面に焼尾山から三国岳、烏帽子岳に連なる稜線。その右手、大きなダムは中里貯水池らしい。その向こうに横たわる養老山脈。
北尾根を下る  右手遠くに養老山脈 まだ足を踏み入れたことがない山・・・

北尾根を振り返る

前を行くオジサンが立ち止まってカメラを構えている所で、私たちも写真を撮らせてもらう。オジサンのお陰で、見落としてしまいそうな花たちにも巡り会うことができた。

お目当てのカタクリにはやっぱり早かったようで、葉は見つかるものの花は姿を見せてくれない。
ほとんど諦めかけた頃に、蕾が見つかった。そして更に数メートル行くと、あった!
小さなカタクリの花が一輪、地面にへばりつくように咲いていた。

二人で順番にデジカメのシャッターを切る。貴重な一輪。もしかして今日お目にかかれる唯一つのカタクリかも・・・と思ったけれど、それから数メートルも行かないうちに道の両側にちらほらと紫の花が見え始めた。

北尾根で出会った花たち (画像クリックで大きくなります)

キクザキイチゲ

キクザキイチゲ・青

エンレイソウ

カタクリ

カタクリ
●この他にもたくさんの花たちに出会いましたが、詳しくはFloraさんの記録を見てください

鞍掛峠に佇むサイレントビューティFloraさん 峠よりトンネル東口を見下ろす

峠手前の大きな鉄塔の下をくぐり峠に到着。
ホッと一息ついたのも束の間。ここから東口への下りが曲者だった。
ズルズル滑るザレ場の下り。道幅も狭く、油断すると滑落しかねない。

滑らないように踏ん張りながら下りていくのだけれど、これが結構膝にこたえる。
東口の駐車場はすぐ下に見えているのに・・・。

峠よりトンネル東口へ

途中で膝を休めていると、先程のオジサンが後ろから追い付いてきた。
「下に車を止めているから、コグルミ谷まで乗って行ったらいい」と声を掛けてくれる。
いい加減くたびれた膝には、ありがたいお言葉。喜んで乗せて頂くことにする。

Floraさんも先日、やはり歩いて林道を下山している人を乗せてあげたらしい。
いやあ、情けは人のためならず、ってホントにその通りだよね〜。
こんなに早くお返しが来るなんて・・・。
やっぱ、人には親切にしとかなあかんもんやね〜。

くたびれ果てた足とは対照的に、口は一向に疲れを知らない。
ああだこうだと喋りながら東口に下り立った頃には、時刻は既に5時になろうとしていた。



久しぶりにFloraさんと山の一日。楽しかった!
やっぱり話しやすいわ〜。なんせ、同級生だもんね!( '∇^*)~☆
また遊んでやってね!


Floraさんの記録

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