ルネのきままなアトリエ
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奈良県吉野郡東吉野村:1248m
2007年1月10日(水)
晴れ
単独
▲山頂手前より北斜面を振り返る
コース
広域地図
11:00
杉谷登山口
11:48
小峠
12:09〜12:19
平野分岐
13:06〜14:07
山頂
14:53
小峠
15:39
登山口
行ってきました、高見山!
コバルトブルーの空に真っ白な霧氷。
平日とあって人影もまばらな静かな山頂。
あちらこちらから、「くっそ〜〜〜〜!!」・・という唸り声が聞こえてきそう・・( ̄〜 ̄;)
(・・お願いやから、呪ったりせんといてね・・・)
前夜の天気予報で、明日は晴れ。放射冷却現象で朝方かなり冷え込むという。
すっきり晴れ渡った空に真っ白な霧氷!!期待できる。
・・が、心配なのが登山口までの雪。7日から8日にかけて降った雪がどれぐらい融け残っているか・・。
愛車のポルシェは磨り減ったノーマルタイヤ。登山口に到達できるかどうか微妙・・。(注:ポルシェは愛称です。車名は・・何やったかな・・??)
・・よし、電車とバスを乗り継いで行こう!・・・と、決めたのが前夜。
・・が、平日自宅を6時半に出るなんて出来るはずがなかった。
「山に行くからお弁当は、なし!」なんて、相方に言い辛い。(あれ?しょっちゅう言うてえへんか?)
家族が家を出た後、のろのろ洗濯をしている間に時間はどんどん過ぎてゆく。
そのうち何だか面倒くさくなってきた・・・・今日は山はやめとこか・・たまには真面目に家事やろか・・。
やっと終わった洗濯物を持ってベランダに出ると・・・すっきりと晴れ渡った空に音羽三山がくっきりきれいな稜線を見せている。西には、葛城山と金剛山がこれもまた、澄み切った空気の中に輝いている。
う〜ん!!!・・・こ、こんな日に山に行かなくてどうする!!( ̄□ ̄;)!!
こんなところで洗濯物なんか干している場合じゃない!
山に行くと決めたら、途端に頭が活発に働きだした。
・・そうだ、奈良交通に電話して杉谷までの道の様子を聞いてみよう!
「雪はありませんよ〜。今日なら大丈夫。」
よっしゃーーーー!!
カップ麺とお茶をザックに放り込み、車に飛び乗ったのが既に10時前。
今日せねばならないことを明日に延ばし、前々からしなきゃいけなかったことを忘却の彼方へ押しやり・・。
木津トンネル出口付近より
木津トンネルを抜けると、正面に高見山。思ったとおり山頂付近が白い!霧氷だ!
あ〜、融けずに待っていてくれるか・・。
はやる思いでいつにも増してひたすら飛ばす。
途中、雪のかけらもない。
奈良交通の方から「橋の上は凍結していますから気をつけて」と聞いていたが、時刻が時刻のせいか凍った箇所もなし。
11時前、杉谷登山口着。
車が1台停まっているだけだった。
このまま大峠まで車で上れれば1時間は短縮できる。
・・けどなぁ、昨シーズン楽しようとしてとんでもない目に遭ってるしな・・。
ここは地道に下から歩きましょ。人生何事も地道な努力が肝心。「急がば回れ」の戒めもある。
登り口に歩いていく途中で、もう1台車がやってきた。
ご夫婦で登られる様子。
杉谷登山口
小峠まではちょっと退屈な道。
とはいうものの、ここは旧伊勢南街道。その昔は紀州や大和から伊勢への交易路として、あるいは伊勢参りの道として賑わったらしい。江戸時代には参勤交代もここを通ったとかいう。
途中、古市場などと往時の賑わいを窺わせる場所などもあり歴史のある道らしい。
そう思うと、ただの植林帯の登りが退屈なものではなくな・・・りません。
ふ〜、出来ることなら霧氷の山頂まで瞬間移動したい・・(^〜^;)
小峠から退屈なきつーい登りをこなした後、平野分岐の先で小休止。エネルギー補給。時刻は12時を過ぎている。
古市場付近から雲ヶ瀬山
小峠手前から薄っすらと雪
平野分岐手前の鎖場
霧氷はもう融けたのかも・・。
周りが自然林に変わり、国見岩を過ぎた辺りから5センチほどの積雪。
風に吹き飛ばされた細かい霧氷が、雪面にグラニュー糖をまぶしたように積っている。
が、枝には霧氷は残っていない。
グラニュー糖が・・
国見岩を過ぎると・・
氷砂糖に変わっていく・・
まあ、ええやん、霧氷がなくても・・。
青空の下、冬枯れの静かな山道を歩くだけでも幸せや・・・と、ほとんど諦めモードになりかけた頃、周囲の木々に白いものが見えてきた。
少しずつ・・
霧氷が・・
見えてきました!!
見上げれば・・青い空に氷の花・・
●笛吹き岩●
南斜面はかなり融けている
南の眺め・・向こうも真っ白だ・・遠く大峰も・・
笛吹き岩から先は、霧氷のトンネルだった・・
神様、ありがとう・・ウルウル・・
振り返れば平野の集落が小さく・・
正面左には室生の山々(住塚山・国見山方面)
山頂まで後一息!
山頂避難小屋が見えてきた
中から声が聞こえてくる
●山頂●
小屋の中には3人。ご夫婦らしき男女と男性が一人。
とりあえずザックを下ろしフリースを着込み、山頂へ。
高角(たかすみ)神社・・三角点はこの裏
南には台高山脈と、遠くに大峰が姿を見せている。
国見山から薊岳辺りも真っ白だ。
・・明神平も良かったやろな・・。
・・ほんまは、雪の明神平の前山の斜面でぼけっとしていたかった・・。けど、タイヤが・・・
いかんいかん、これ以上欲張ると罰が当たります・・。
薊岳と、遠くに大峰山脈
小屋の屋上から明神岳薊岳方面
※自動シャッターなので、写りが悪いです。
・・ん?関係ないの?
神社の裏から東の眺めも素晴らしかった。
霧氷の向こうの三峰山は、ここから見る限り霧氷は見えなかった。融けてしまったのかも・・。
男性が一人、カメラを構えて霧氷の撮影に余念がない。
風が結構冷たい。風に吹き飛ばされた霧氷のかけらがばらばら当る。
山頂から東の眺め
ひとしきり眺めを楽しみ、小屋へ戻る。
土日は満員御礼の小屋も貸し切り状態。
カップ麺のお湯を沸かしている間に登山口で見かけたご夫婦が到着された。
小屋の外で野鳥が二羽、土をつついている。
そのうち一羽が小屋の中に入ってき、椅子の上にぴょんと飛び乗った。
人なつっこい鳥・・。餌でもねだりに来たのかな?
カメラで撮ろうとしたけれど、もたもたしている間にどこかへ飛び去ってしまった。
(帰宅後調べると、どうやらゴジュウカラのようだった)
結局山頂で1時間も居た。
2時を回り、大峠周りで下山されるというご夫婦と別れ元来た道を下山する。
寒い中、ずっと撮影されている・・脱帽
登りよりぐっと冷え込んできた。
霧氷もしっかりと枝にへばりついている。
眼下に広がる美しい氷の花を眺めつつ、尾根を下る。
霧氷を見下ろしながら下ります
再び霧氷のトンネルに・・
霧氷の合間から兜岳と鎧岳
ずっと眺めていたい・・寒いけど・・
単独の男性と前後しながら、3時40分登山口に戻ってきました。
今年も山との良い出会いがたくさんありますように・・・。
元日の大和三山で祈りを捧げたけれど、早くもご利益が現われたような美しい山でした。
余談ながら、前後して下山した男性、バス停でしばらく佇んでいたけれど、意を決したかのように道路を歩き始めた。
バスの時刻まで1時間半もある。
もちろん、その方の後ろにすーっとポルシェをつけて、
「よろしければ、どうぞ〜」
と、にこやかに声をお掛けしたのは言うまでもない。
やっぱり、日頃の行い・・やな〜
●昨シーズンの高見山(2005年12月25日)の記録●
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