ルネのきままなアトリエ
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   〜北尾根から神之谷へ 変化に富んだルートを楽しむ〜
    白鬚岳     
奈良県川上村   標高:1378m
2007年11月24日(土) 
晴れ  夫婦で


▲上:西尾根から山頂   下:山頂北斜面のブナ林
台高山脈の赤ー山(コクマタ山)から西の支尾根上にある白鬚岳。
薊岳や、大台の山頂から、また大普賢への登路からその三角錐の山頂を見るにつけ、いつか登ってみたいと思っていた。

南西側の神之谷(こうのたに)の集落から尾根通しのコースや東谷からのコースがよく歩かれているらしい。

が、高度差が1000メートル程あり距離も長く、「老化した」膝ではとても歩き通せそうにない。

3年ほど前、ネットで北側の中奥からの最短コースがあることを知った。紅葉の頃か若葉の季節を狙っていたけれど時期を逃し、初冬の山になってしまった。

山頂付近、融け残った雪と枝から落ちた霧氷のカケラが斜面を覆っていたが、風もなくぽかぽか陽気。

中奥から登り神之谷下山と、変化に富んだルートを楽しんだ小春日和の一日。

コース 広域地図         ルート地図
 8:00 中奥地区水道施設(駐車)
 8:40〜 8:45 林道終点
 9:35〜 9:45 高尾(P1193)
10:10〜10:35 1286mピーク(北・東の展望良し)
11:00〜12:05 白鬚岳山頂(昼食)
12:55〜13:05 小白鬚岳(P1282)
13:25 東谷分岐
13:50〜14:05 トグラ(P1046)下
14:55 神之谷集落(車デポ地)
map


R169川上村上多古(こうだこ)から吉野川の橋を渡り、神之谷(こうのたに)林道を2キロ程、神之谷集落入口の広場に車をデポ。
ガソリン高騰の折、夫婦で行くのに2台も車を使うかぁ・・・と、自らに問いかけながら・・・
常に自らを省みることを怠らないルネオバだ・・( ̄〜 ̄;)

すぐさま白川渡まで戻り、中奥へと車を走らせる。
中奥集落入口の100m先、右折。
杉桧の枝が落ちているけれど、舗装された林道を10分、中奥水道施設に到着。

三連休の中日、おまけに晴れ。が、先着の車はなかった。
ここで標高650mぐらい。多少のアップダウンはあるものの、山頂までは700m余りの高度差。

ま、とりあえず身支度を整え出発。

中奥水道施設

この先もしばらく舗装路。
3箇所ほど路肩崩壊しているところはあるけれど、完全に車両通行不能という訳でもないのか、林道終点まで苔の上に車の轍の跡がくっきり残っていた。

40分の歩きで、林道終点着。


崩壊箇所


深い谷を隔てて向いの尾根
(高尾山?)

遅い朝日が差し込む





●林道終点  (8:40〜8:45)●



登山口の標識の横から沢に下り、向いの尾根の末端に取り付く。テープもしっかりあり。
沢を渡ったところで、下からエンジン音が聞こえてきて、熟年男性が一人バイクで登ってきた。
あ〜、こういう手もあったんだ・・。




しばらく自然林の急斜面をジグザグに登るが、すぐに植林帯に入ってしまい、10分弱で尾根に乗る。
右折。


ここから高尾(P1193)までは植林の尾根を登るが、高尾の手前で休憩していると、下から先程の男性が登ってこられた。
大きなザック。テント装備のようだ。

聞くと、途中一泊で白鬚岳から赤ー山・明神岳・薊岳を縦走し、ジョウブツ山から中奥下山の周回コースを歩かれるとのこと。
下山地点に軽トラをデポされているらしい。

しばらく話を窺う。
和歌山にお住まいのこの方、軽トラの荷台にバイクを載せて、どこにでも出かけられるらしい。
大抵の林道でも、かなりの地点まで軽トラで入り、そこからバイク。
周回コースにも便利。

軽トラ・・。
ルネオバの愛車ポルシェ(あくまでも愛称)、後2年もすれば買い替え時。
次は軽トラにするか・・・。
荷台にバイク。
ちょっとした有名人になったりして・・。
・・なんて、ハンドルさばきも鮮やかに軽トラで林道を駆け上がっていく自分を想像してにんまり・・。


ま、それはさておき、男性に先行していただき距離を置いて後に続き高尾に登りついた。





●高尾(P1193) (9:35〜9:45)●

樹間より白鬚岳山頂から小白鬚への稜線が見えている。


小白鬚への稜線



P1286までは、小ピークを2つ乗り越しながらの痩せ尾根歩き。
左(東)斜面は植林、右(西)斜面は自然林。
右斜面を覗き込むと、垂直にも感じられる斜面が谷底まで落ち込んでいる。高度感抜群!

10本ほどの倒木が道を塞いでいる箇所を登ると、P1286に飛び出した。



植林帯と自然林 痩せ尾根を登る
ストックが邪魔なくらいの急坂 すぐ上がP1286




●P1286 (10:10〜10:35)●

北に展望が開ける。大休止。




先程の方も、ザックを下ろして休憩されていた。

大峯のバリエーションルートなども歩き尽くされたとのことで、しばしいろんなルートの情報を教えていただく。気がつけば20分余りも経過していた。


▲自然林の登り・・大きなブナも
ここから左折。
いったん下って、また登り返し。

右手木の間越しに小白鬚から白鬚岳山頂への尾根が見え隠れしている。

先程の男性と間隔を空けて付いて行くけれど、重い荷物にも関わらずその方の足取りは快調。

相方もつられてか、かなりハイペースで歩くので、しんどいこと!

▲融け残った霧氷のカケラ
後2週間も早ければ、鮮やかな紅葉が楽しめたに違いない自然林の斜面。

落ち葉の上には、枝から落ちた霧氷のカケラ。

山頂近くにはブナ林も広がっていた。

▲白鬚岳山頂
ブナの大木の斜面をジグザグに一登りで向こうに山頂が見えてきた。



●白鬚岳山頂 (11:00〜12:05)●

登山口から3時間、歩行時間2時間半ほどであっけなく山頂に着いてしまった。
これならいつでも登れたのに・・・。
・・とちょっと残念な気もしたけれど、それはそれとしてとりあえず、初登頂万歳!

ちなみに、白鬚岳、相方は25年ほど前に2度登っている。
相方が登っていて私が未踏の唯一の山。
どのルートを登ったのか、今まで何度も聞いたけれど、記憶が定かでないらしい。・・ん、もう・・!(^〜^;)


山頂は、南、西、北の三方向に展望が開けた8畳ぐらいのスペースだった。


▲8畳ほどの広場


 

▲今西錦司さん1500回登山の記念碑と
三角点

▲餅・海老天入りうどん
風はなく、おだやかなぽかぽか陽気。
が、汗が引くとやはり体が冷えてくる。ヤッケを着込む。

北に縦走される男性が出発され貸切になった山頂で、展望を愉しみつつのんびり昼食。あっという間に1時間が過ぎてしまった。




南の展望


西から北の展望


下山の準備をしていると、小白鬚側から空身のご夫婦が登ってこられ、山名板の前で記念撮影だけされて下山された。
まだ後から2組ほど登ってこられるらしい。




下山は、小白鬚岳を経て神之谷の集落へ。
痩せ尾根の急下降、そして登り返し、また急下降を繰り返す。




急な下り・・スリップに注意しながら慎重に下る


白鬚岳山頂を振り返る

痩せ尾根を行く
木々はすっかり葉を落とし、左に大峯、右に薊岳からジョウブツ山への稜線を眺めながらのなかなか爽快なコース。

但し、中奥からの登りを知ってしまった今となっては、ここを登りに使うのはちょっと辛いものがある。

(が、この日、中奥から登ったのは結局私たちと先程の男性だけだった。こちら側からは、4組の登山者。)






●小白鬚岳(P1282) (12:55〜13:05)●


アップダウンを繰り返し、1時間弱で小白鬚岳到着。

山頂は、北側の植林が伐採され、北のみ展望あり。
桧の梢の上に白鬚岳の山頂部が姿を見せている。


白鬚岳山頂を望む

北の展望が広がる


しばらく行くと、すぐ下に中奥の集落が見えた。






●東谷分岐(13:25)●



分岐を直進。
植林された尾根をしばらく行くと、また右斜面は自然林に。
この辺りがトグラ(トー?)だったようで、道はーの南側斜面を真っ逆さまに下る。



▲枯葉がうず高く積った斜面

▲このコースを集団登山?

▲トグラの下り・・岩の間に枯葉が溜まっている

▲北斜面は自然林・・すっかり冬の装い

▲トグラを見上げる
この下り、ガイドブック(昭文社「関西の山歩き100」)では、地図に「滑落注意」と小さく書かれているだけだった。
10分弱の下りながら枯葉の積ったこの時期、とにかく滑る!(×_×;)


▲トグラの北斜面・・青空に自然林が美しい

▲誰かさんが喜びそうな木

▲小白鬚が見える



植林帯の道をだらだら下る。
いい加減歩きくたびれてきた頃、
林の中に焼却炉(?)が見え、
神之谷の集落に飛び出した。


神之谷集落に出る

●集落入口車デポ地(14:55)●




中奥駐車地に車を取りに行き、その帰途、寄り道して中奥集落に登ってみる。
麓から白鬚岳が見たかった。

集会所前広場で、地図とコンパスを手にウロウロ。
丁度大根片手に通りかかったおじいさんに聞いてみる。
ここからは山頂は見えないらしい。
50mほど民家の間を登り、遠くに小さく見える山頂を教えていただいた。



念願かなってやっと登れた白鬚岳。
好い一日だった・・。


数日経った今、
次回は神之谷から登ってみるのもいいかな・・などと、考えている今日この頃・・。
忘れっぽいというのか何というのか、全く懲りないおばちゃんだ・・( ̄〜 ̄;)


※ちなみに、数十年前相方が登ったルートは、
中奥手前の枌尾(そぎお)からトグラの下へのルートだったようだ。

一行がトグラの下を通過した直後、2mほどの大岩がガラガラと落下していき胆を冷やしたそうな。






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