ルネのきままなアトリエ
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2,3日前までは、春の光を浴びて一斉に開花していたという福寿草。
あるものは深い雪の下に埋もれ、あるものは吹雪にさらされ霧氷が付き、凍りついた地面に張り付いていた。

自然は過酷だ・・。
滋賀県東近江市・標高1120m
2007年3月13日(火) 
曇り時々雪
メンバー:3人(ヒロだんな・ryo君・私)


▲藤原山荘前から展望丘を望む
藤原岳に福寿草を見に行きましょう!
セツブンソウやセリバオウレンも咲いているらしい。
いざ、春先の小さな妖精たちをを探しに!!

・・が、目の前に横たわる鈴鹿はすっぽり雪雲に覆われ雪化粧。
季節は完全に逆戻り。冬の山だった。

▲山荘横の福寿草

二日前の日曜に登られた方のブログで雪が降っていたことを知り、ある程度の積雪は覚悟していた。けど、積っていても20センチぐらいやろ・・・。
スノーシューは・・・?
ま、そこまでいらんやろ・・・。

今日は、10数年来の友人厚あげちゃんのご主人、ヒロだんなと、息子さんのryo君と3人。

ヒロだんなは長年ボーイスカウトの指導もされており、アウトドアの達人。
ryo君は高校の登山部。最近はフリークライミングもやっているらしい。
コース 広域地図      コース詳細地図 
 9:00 観光駐車場
10:30〜10:45 (聖宝寺道)六合目
11:10 八合目
12:15〜12:31 藤原山荘避難小屋
13:12〜13:29 山頂(展望丘)
13:53〜15:15 藤原山荘避難小屋(昼食)
15:40 八合目(大貝戸道下山)
16:35 大貝戸道登山口休憩所


藤原岳が近づいてくる
みなべ市街を通り抜け、前方に真っ白な藤原岳が見えてくる。
・・冬の山・・やん・・(-_-;)

う〜ん、かなり積っているかも・・・。
やっぱ、スノーシューを持って来るべきやった・・・って、今更遅い・・。

ヒロだんなは、木和田尾を回る周回コースに関心があるらしかったけれど、とりあえず聖宝寺コースで登ることに。


西藤原小学校下の観光駐車場には1台停まっているだけだった。
身支度をしている間にもう1台到着。

これザックに入れてや。
これも。
あ、これも入る?

荷物を全部ryo君のザックに放り込み、私のザックは羽のように軽くなった。
ryo君はパッキングに苦労している。

これもおばちゃんの思いやりやからね・・。
トレーニングやで〜〜(^〜^;)


人使いの荒いおばちゃんや・・


●観光駐車場出発(9:00)●

聖宝寺の石段を登る。 境内を抜け登山届を提出。
雪が現われる。
すぐに迂回路。(駐車場の小屋にはまだ「通行止め」の貼り紙があった)


迂回路も特に危険な箇所もなく、10分ほどで本道に合流。
四合目では積雪10センチぐらいか。

時おり、杉の梢からバラバラと雪が落ちてくる。
五合目辺りでもいろんな花が咲いていたらしいけれど、雪の下だ。

程なく本道に合流。

四合目の杉木立
五合目を過ぎると自然林の斜面。
ここら辺りで花も咲いているらしいけれど・・・。

六合目の手前から振り向けば眼下にみなべ市街が広がっている。
振り仰ぐ山頂は雪雲に覆われて、時おり粉雪が舞う。

歩き始めてから1時間半ほどで六合目。
風を避けて、先の木立で休憩。


六合目手前、展望が開ける

六合目
雪の下の花はどうなっているのだろう・・。
風を避けて休憩


六合目から30分ほどで八合目。
大貝戸道から登られたらしい男女3人の方が休憩されていた。(この後、この方たちを見かけなかったので、もしかしたら途中で下山されたのかもしれない)

八合目 八合目の吹き溜まり

雪はふわふわ雪。
今日登られた方のらしきトレースはあるけれど、ほんの数人の足跡。
次第に積雪も多くなり、時おりズボッと膝上までもぐりこむこともある。

九合目の手前で、ryo君と私、アイゼンを着ける。


画像提供:ヒロだんな
立ち止まると、余裕・・(^〜^;) 時には先頭を替わる。 
ryo君、見とき!こうやって歩くんや〜〜
・・ぜいぜい・・・・・(;´_`)
余裕の笑顔・・ええ子や〜〜

上から3人グループが下りてこられる。
トレースはこの方たちがつけてくださったらしい。
藤原山荘までで戻ってこられたとのこと。小屋にはもう一人いらっしゃるらしい。
山荘の横に福寿草がありましたよ、と教えてくださった。

山頂部はガスに覆われ、切れ間から時おり下界が覗く。

すぐに単独の男性が下りてこられる。
・・ということは、もう、上には誰もいない・・。


ガスの切れ間に下界が・・

九合目を過ぎると霧氷が・・ もうすぐ山荘・・

小屋の手前のトラバースの斜面で、ものすごいスピードで登ってこられた単独男性に道を譲る。
・・あの歩き方だったら、展望丘へも行かれるかも・・。
トレースつけてくれへんかな・・。


藤原山荘避難小屋


●藤原山荘避難小屋(12:15〜12:31)●

小屋には先ほどの男性が一人きり。
天狗岩方面にも、展望丘へもトレースはない。
目の前にあるはずの展望丘も、ガスに包まれ見えない。

「展望丘、どうしますぅ?」
「やめときましょか・・」・・との返事を期待しながらヒロだんなに声をかける。
・・一瞬、お互いの腹を探り合うような微妙な視線のもつれが・・・。

・・はいはい、分かりましたよ・・行きゃいいんでしょ・・・(^〜^;)

最近かなり山に嵌っているというヒロだんな、あっという間にGPSも買ってしまった。んで、瞬く間に使いこなしていらっしゃる様子。

まさかの時の為に、ヒロだんなのザックだけ持って展望丘へ出発!!



仕方なく付いて行く・・(×_×;)
外に出るとやはりガスは晴れず、展望丘も見えない。

ドームの下までは緩やかな下り。
いつもなら少々雪があってもぬかるみでも、2,3分で駆け下りるところ、一歩毎にズボッズボッとツボ足。

右に緩やかにカーブしながら進み、展望丘の斜面に取り付く。
展望丘の斜面では一層雪が深くなる。
先頭を行くryo君、太腿まで雪に埋まりながらどんどん進んでゆく。

若い・・・。

必死で後を付いていくルネオバ。
けれど、時おりズボッと腰の辺りまで雪の中に埋まってしまう。




はあ〜〜・・・
ええ加減、固い地面に足を付けたい・・・(T〜T)

画像提供:ヒロだんな
もがく・・・
もう、足上げとうない・・・(;´Д`)



まだ登るんですか〜〜(;´Д`)
「後60メートルでっせ〜〜」
ヒロだんなから
情け容赦ない返事・・とほほ・・
ryo君は・・・見えなくなってしまった。
やっぱ若い子はパワーが違う・・

40分余りかかってやっと山頂に辿り着いた。

画像提供:ヒロだんな
ピース! づがればじだ〜〜(>_<;)・・鼻水が・・

●藤原岳山頂(展望丘) (13:12〜13:29)●

ヒロだんな・・GPSでチェック・・と いい親子や〜\(^-^)/ 途端に元気になるルネオバ

残念ながら、山頂も展望はなし。
西と南から容赦なく強い風が吹き上げている。

けれど、体の中から湧き上がる何ともいえない爽快感。

ヒロだんなが、テルモスから熱いお湯でコーヒーを入れてくださる。
「おばちゃん、サンドイッチ食べますか?」とryo君。
・・ええ子や〜。

「ええよ〜サンドイッチは。それより、そっちのカステラちょうだい〜」
どこまでも図々しいルネオバ・・( ̄〜 ̄;)







下りも雪まみれになりながら、どどどーーと雪の斜面を転げ落ちた。いや、下りた。

いつもならどうってことない山荘までの登り返しがちょっと辛かったけれど・・。



下りは速い!


●藤原山荘避難小屋 (13:53〜15:15)●

小屋の外も中も人気はなかった。
単独行の男性も結局山頂には来ず下山された様子。

山荘貸し切りでちょっと遅めの昼食に。

ルネオバ特製の・・
肉うどん!!(肉入り・・お〜っと、これは当たり前!油揚げ、かまぼこ、ほうれん草まで入っている愛情うどん) 美味しい!!
お餅もあるよ〜(^O^)v


他にもヒロだんなの美味しいコーヒーやらパンやらクッキーやら・・・(^O^)v



外を見ると空が明るい。
小屋の外に出ると、ガスが晴れ、展望丘が姿を現していた。
青空も覗いている。


展望丘が姿を見せた




さて、福寿草は・・・?
山荘横の雪が吹き飛ばされ地面が露出した草地に行ってみると・・・あった!!
雪を被り霧氷が付き、痛々しい姿で凍てついた地面に張り付いている福寿草が・・・。
あちらにも、こちらにも・・・。



固く閉じて・・ 開いたまま・・


自然の営みは時には過酷だ。
凍てついた地面の下で長い厳しい冬を耐え抜き、春の訪れとともにやっと花開いたというのに、この有様。

けれど、これで終わることはない。
太陽の光と熱でゆっくりと雪が融け、凍てついた地面が緩むにしたがって、花はまた命を吹き返すのだろう。

再び傷ついた花びらをそっと開き、太陽の光を浴び金色に輝く。
そして、次の世代へと命をつないでいく。

そうやって、したたかに逞しく何万年と言う長い年月を生き抜いてきたのだろう。

・・そんな自然の営みの一端を垣間見る時、人は感動すら覚える。




山荘の裏の斜面に登ってみると、一層強い風が吹き荒れていた。
雪はほとんど吹き飛ばされて地面が見えている。


山荘裏から霧氷越しに展望丘


画像提供:ヒロだんな
霧氷の向こうに麓も見える



風が吹き荒れる天狗岩への斜面


●下山開始(15:15)●


雪を蹴散らし駆け下りる



麓の町並みがすぐそこに見えている・・できることなら飛んでいきたい


いつもなら少し辛くなる下りだけど、四合目辺りまで残っていた雪のお陰で、かなり助けられたみたい。
1時間20分ほどで大貝戸登山口の休憩所に下りてきた。


●大貝戸登山口休憩所(16:35)●



休憩所の裏の靴洗い場で泥を落とし、観光駐車場に戻ると、当然ながらもう車は一台も残っていなかった。

※頂いた画像はマウスポインタで表示されます


太陽に向かって金色に輝く福寿草は見ることができなかったけれど、いい山の一日だった。
深雪のラッセルも愉快だった。
・・・ま、そうしょっちゅうだったら困るけど・・(⌒〜⌒;)

ヒロだんな、ryo君、ありがとう!
お陰さまでとても楽しい山歩きができました。
またご一緒してくださいね!


ryo君、次はもうちょっと大きいザックにしてね!
出来ることなら、おばちゃんのザックが丸ごと入るような・・・
・・・なんて、ええ加減にせいーー(°O゜)☆\(^^;) バキ!






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