ルネのきままなアトリエ
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〜シャクナゲ・シロヤシオ・アケボノツツジ〜


日出ヶ岳:三重県多気郡大台町・標高1694.9m
2008年6月1日(日)  晴れのち曇り   夫婦で

入梅直前の貴重な晴れの日に、東大台に行くのは正直余り気が進まなかった。

どっと人が繰り出しているに違いない。
人混みに揉まれながら、ぞろぞろ歩くなんて・・。
他にも行きたい山はいっぱいあるのに、よりによって小さい頃から数えきれないほど足を運んだ東大台?

が、私以上に体力の落ちている相方。
大台なら歩けるかな、と言う。
しゃあないか・・。
たまにはお父ちゃんの意見も聞いたろか〜。
ハイカーに交じって、のんびり散策もたまにはええかも・・。

・・っちゅうわけで出かけた大台。


コース 広域地図     コース地図 
 8:05 山頂駐車場
 8:40〜 8:50 日出ヶ岳
 9:40〜10:20 シャクナゲ平〜偵察
11:40 日出ヶ岳
12:15 正木ヶ原
12:25 尾鷲辻
12:45〜14:25 大蛇ー分岐(昼食)〜大蛇ー
14:45〜15:15 シオカラ谷
15:45 駐車場



朝6時自宅出発。

前日、山友との山行が雨で中止。
その雨も止んで天気は回復。すっきりと澄み切った空気と清々しい青空が広がり始めている。
わざわざ雨を選んで(?)山に出かける奇特な方もいらっしゃるようだけれど、
やっぱり山は
晴れ!!でなくっちゃ(* ̄∀ ̄)ノ"

青空の下、延々と連なる大峰の稜線を眺めつつドライブウェイを駆け上がる。
山頂駐車場は既に7割方埋まっていた。




●駐車場出発(8:05)●


まだ朝の8時だというのに団体さんや次々に出発していく登山客で賑わう駐車場を後にし、日出ヶ岳に向かう。
山道に入ると前後の人影が途絶え、眩いばかりの木漏れ日を浴びながら公園の遊歩道のような道を30分弱で日出ヶ岳下の展望台。




眼下に青い尾鷲湾がきらきらと輝いている・・と思いきや、薄雲に覆われ雲間からわずかにぼんやりと灰色の海が望める程度だった。






この辺りから前後左右に登山者。
山頂への木製デッキ階段を手すりにすがりながらふーふー登り、日出ヶ岳山頂に到着。
階段の傍らのシロヤシオはまだ蕾だった。




●日出ヶ岳山頂 (8:40〜8:50)●


日出ヶ岳山頂展望台



山頂から正木ヶ嶺を望む
展望台でしばし休憩。
前日の雨で空気が洗われ陽射しが眩しい。

台高方面や尾鷲湾は湧き上がる雲で隠れてしまっているのが残念。

大峰の釈迦ヶ岳から南も雲が湧いて稜線を覆い始めた。




大峰山脈

東大台をちょこちょこ・・っと周回のつもりで出かけてきたけれど、おっとどっこい、それだけでは物足りない。
以前、「papamamaホーム」のおやじさんが確かこの時期にシャクナゲ坂まで下っているはず。
確か亀ーとかいうところにも行ってたような・・。
伯母谷覗のような断崖絶壁の画像を見たような記憶がある。

よし、これは偵察に行かねばなるまい!




●大杉谷方面へ下る (8:50)●



ひっきりなしに登山者がやってくる展望台を後にし、大杉谷への道を下り始めるとすぐに歩きにくいコンクリート製の丸太階段になり、道の両側にシャクナゲが現れ始めた。

わずかに蕾も残ってはいるけれど、満開を少し過ぎたぐらいか。
シャクナゲは延々と下まで続いている。
丸太階段も延々と続いている。

下り始めてすぐに単独の男性にすれ違っただけで、後は全く人影も途絶えた。
滴るような新緑、ピンクのシャクナゲ、小鳥のさえずり。




振り向いても階段・・




滴る緑とシャクナゲ




盛りをちょっと過ぎたかな・・?


こちらは・・



下から見上げると、ものすごい存在感!!

丸太階段が終わり登山道になってもどこまでも続くシャクナゲのトンネル。
が、下るにつれて落花しているものが多くなる。
途中、中が洞になっている桧の巨木があった。


中は洞

広いなだらかな斜面に降りてきた。
美しいブナの林が広がっている。
鹿の食害から守るための網が
それぞれの木に巻きつけられていた。

昨日の雨で、幹の苔もしっとり湿り気を帯びている。




シロヤシオもそこここに見受けられる。

が、まだ蕾が多い。来週辺りが見頃かな?

ブナ林からミネコシへの下りはシロヤシオが続く。
開花しているものもあるけれど、全く花をつけていない木もたくさんある。
が、太陽を透かして見るシロヤシオの葉の美しいこと!




葉先が薄っすらと紅色を帯び、光が葉脈を浮かび上がらせ
まるでステンドグラス・・





ミネコシを過ぎ、更に15分ほどでシャクナゲ平に着いた。


●シャクナゲ平(9:40〜10:20)●


木とシャクナゲに囲まれたシャクナゲ平

辺りののシャクナゲはもうすっかり散ってしまっていた。
シャクナゲ坂まで下ってももう花は期待できないだろう。
「登り返しもしんどそうやし、引き返そうか?」
小腹が空いた。で登りに備えてバナナとパンで小休止。

・・の間に、一人で更に下まで偵察に下る。

亀ーっていうのはどこやねん?
下る途中も気をつけて辺りを見たけれど、それらしきものは見つけられなかった。
地図で確かめてもその辺りに、ーらしきものは無い。

おやじさんから話は聞いたことがあるのに、悲しいことにはっきり覚えていない。
東側の支尾根?・・やったかな・・??

勾配が急になってきた辺りで諦めてUターン。
独りだったら多分、どこまでも下っていただろうな・・・。



事前の下調べというのは、やっぱり大事ですよね〜
記憶にある一枚の写真だけで、見つけられるはずがありません。

帰宅後、調べてみてやっと分かりました。
もっと下、シャクナゲ坂付近まで下りてから、東に入っていくようです。
改めて地図を見ると、等高線の緩い辺りに日出ヶ岳付近まで登り返すルートが自然と浮かび上がってきます。





さて、山頂へ引き返すことに。
今日は「のんびり歩く」のが目標なので、ゆっくりゆっくり登る。

上から話し声が聞こえてきた思ったら、熟年の男女のグループ。
沢ヤさんだった。
堂倉谷を正木ヶ原まで遡るのだという。
すごいな〜・・





登りも亀ーを探して、右に左に寄り道。
どこなんや〜?

先ほどの沢ヤさんたちには聞きそびれたので、
次に出会った大杉谷を下れるところまで下ると言うご夫婦に聞いてみた。
聞いたことがないという。




木の間から日出ヶ岳が見えてきた。
またあの丸太階段が待っている!


右手の木の間からチラッとピンクの花。
下りは気がつかなかったけれど、小さな岩頭の下に鮮やかなピンクの木。アケボノツツジだった。

これはもう少し側に寄らないといけません。
木の枝につかまりながら、急斜面を岩頭の下まで這って行き撮影。
今日は「のんびり」が目標なので、いくら寄り道してもOK!!



思いがけない出会い

「亀ーはどこやね〜ん?」
亀ーを探して右往左往。






ここか!?・・・全然違う・・




ブナ林を過ぎ、丸太階段をゆっくり登る。
すぐそこに山頂が見えてきた。

左の尾根の端に行ってみる。
正面に山頂下の展望台で人がいるのが見える。
足元を見下ろすと、踏み跡がずっと下に続いている。

「ブブブブーー」携帯がメールを受信した。
見ると、アンテナが2本立っている。
・・ここ、携帯繋がるんや・・。

「・・・おやじさんに聞いてみようか・・・」

いやいや、そんな酷な事はできない!
おやじさんは昨日、雨が大好きという落王さん(ほんまか?・・汗・・)と共に山にでかけ、今日は泣く泣く仕事に勤しんでいるはずだ。
そんなおやじさんに聞けるはずがない・・・。
そんな酷な事・・・絶対に・・・できるはずが・・・・

「・・・ほんじゃ、ちょっと聞いてみるわ!」

「イエ〜イ!!頑張って仕事してますか?
天気最高!シャクナゲ・シロヤシオ満開!
最高の山を楽しんでま〜す!!
で、亀ーってどこ?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・送信できません・・だと・・
ちっ!


(帰ってから調べると、どうやらここが亀ーからのルートの出合だったみたいです)


下に踏み跡が続いていた




●日出ヶ岳(11:40)●



先程より一層賑わう日出ヶ岳山頂を素通り。
尾鷲湾もすっかり雲に隠れて見えなくなったようなので下の展望台もパス。
正木ヶ原へと向かう。

木製デッキ階段の両側はほとんどがシロヤシオ。
やっぱりここも蕾がほとんどだった。


シロヤシオの並木

日出ヶ岳を振り返る。



東から湧いてきた雲がだんだん広がってきた。

●正木ヶ原(12:15)●

正木ヶ嶺から正木ヶ原にかけては、白い立ち枯れの木々が林立する明るい斜面だ。
かつてここは鬱蒼としたトウヒの森だったらしい。

伊勢湾台風による倒木の搬出がきっかけとなり、林床が乾燥。
苔が減少しミヤコザサが繁茂。
加えて鹿の食害などにより、トウヒの林は衰退してしまったらしい。




確かに、昔の正木ヶ原はもっと薄暗いじめじめした林だったような記憶がある。幼心に、あまり好きな場所とは思えなかった。
ドライブウェイの開通が1961年。
多分最初に連れてきてもらったのはその直後ぐらいか。

以来何度となく訪ねている大台。
学生時代山を歩くようになって数年ぶりに来た時、その変わり様に驚いた記憶がある。
道は公園の遊歩道のように広く歩きやすく整備されていた。
焚き火を燃やして飯ごうでご飯を炊いた中道のシオカラ谷は立ち入り禁止のローブが張られていた。





ガスに包まれていく林

石畳の坂を下ると尾鷲辻。
駐車場からの中道と合流する。





●尾鷲辻(12:25)●

尾鷲辻から大蛇ー分岐までは、ほとんど高低差のない平坦な道を20分ほど。ここも道のあちこちにシロヤシオが咲き始めていた。

人で賑わう牛石ヶ原の神武天皇像を過ぎるとすぐ先が大蛇ーへの分岐だ。



牛石ヶ原 神武天皇像




牛石・・一本たたらが閉じ込められているとの伝説がある





●大蛇ー分岐 昼食(12:45)●

戻ってきた方に聞くと、大蛇ーはガスで全く展望がないらしい。
ガスが晴れる見込みもなさそうなので、先に昼食にする。

次から次に通り過ぎる人たちの熱い視線を感じながら、何食わぬ顔で焼肉!
(画像はありませんが本当です。)

「アケボノツツジが綺麗でしたよ!」
大蛇ーから戻ってきた女性が落花したピンクの花びらを手に、これから向かう登山者に声をかけている。





大蛇ーへは300メートル

大蛇ーが近づいてくると、道の両側にピンクのアケボノツツジが現れ始めた。


優しい色のアケボノツツジ



●大蛇ー(13:55〜14:05)●



全く何も見えませんが、賑わっています。



一応お決まりですので記念撮影


ガスがふっと切れて、不動返しーが浮かび上がった!
やっぱり迫力がありますわ・・




待ってもガスはこれ以上晴れそうにもないので分岐へ引き返す。




分岐で言葉を交わしたご夫婦は徳島の方だった。
バスで朝6時に徳島を出発し、夜の9時半には向こうに戻るのだという。

私らも朝の6時に家を出たのに、なんでここにこうして一緒にいるの・・(^〜^;)

ご夫婦とはどういうわけか話が弾み、
「徳島の山においで!家に泊めてあげるわ。電話番号は、08・・・・・・」

・・いえ、いいです・・そんな図々しいことできませんしぃ・・(⌒〜⌒;)
・・・・・・・・メモメモ・・φ(._. )





●大蛇ー分岐出発(14:25)●

シオカラ谷に向けて、行列に加わる。



この辺りのシロヤシオjは丁度満開



花はすっかり終わったシャクナゲ坂




●シオカラ谷(14:45〜15:15)●



シオカラ谷でも大休止。
前後して歩いていた5歳の男の子にも追いつかれる(;´_`)



つり橋を渡り、コンクリートの階段を登る。


駐車場までの登り返し、もう一頑張りだ。


大台山の家からはだらだらと歩くと、次第に車の音が近づいてくる。


朝とはうって変わって駐車場はしっとりとした霧に包まれ始めていた。






人混みの東大台なんて・・と思っていたけれど、お天気にも恵まれ久しぶりにのんびりと散策を楽しみました。
東大台、展望も良くコースも変化に富みおまけに花も楽しめる。
やっぱり楽しいコースです。

・・が、喜んでばかりはいられません。

ドライブウェイの開通以来、年々登山者や観光客が増加し、今では年間25万人から30万人が訪れるらしいです。
自然環境に及ぼす影響は計り知れないものがあるとのこと。

トウヒやブナ林の衰退、訪れる人のオーバーユースなど、大台を巡る問題はなかなか難しいものがあるようです。

ドライブウェイを車で駆け上がり、手軽に山を楽しませてもらっている登山者の一人としてはなかなか複雑なものがありますが、この先もいつまでも豊かな自然を楽しませてもらうためには、どうすればいいのでしょうねぇ・・・。
ちょっとそんなことを考えてみる今日この頃でした。

・・・・・・・・・・・

が、それはともかく、しつこいようですが、もう一度。
山はやっぱり
晴れ!!でなくっちゃ・・(* ̄∀ ̄)ノ"







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