ルネのきままなアトリエ
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●福井県大野市        標高:1523.5m
●2009年3月21日(土)  晴れ 
●夫婦で 


▲山頂から白山を望む

福井県大野市の南東に聳える荒島岳。
標高は低いものの、深田百名山に名を連ねる。
雪のある時季に登ってみたいと機会を窺っていた山。

一歩ずつ雪を踏みしめ山頂に至るルートも、山頂に広がる息を呑むような眺めも、文句なしに最高!

コース  広域地図     コースマップ   
 6:50 カドハラスキー場駐車場
 7:35〜 7:40 リフト最高所
 8:15〜 8:25 白山展望所
 9:30〜 9:45 シャクナゲ平・モチガ壁鞍部
10:35〜11:50 山頂
12:20〜12:30 シャクナゲ平・モチガ壁鞍部
12:40〜12:55 1030メートル付近
13:50〜14:15 リフト最高所
14:40 駐車場


3連休のうち2日予定が開いた。
天気予報はいまいちだったけれど、直前になり中日の21日だけが晴れマークが出た。

前々から行きたいと思っていた荒島岳に。
雪の時季に登りたいと思っていたというものの、ラッセルするほどの体力はない。
今年はどことも近年にない小雪らしいけれど、丁度今の時季がチャンスかもしれない・・と。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前夜8時出発。
京滋バイパス・名神・北陸と高速を乗り継ぎ、途中深夜割引利用の為に時間調整をしながら、
福井ICを0時過ぎに下りる。

R158を大野市へ。登山口の
勝原(カドハラ)旧スキー場の駐車場に着いたのは深夜1時過ぎ。

駐車場には登山者のものらしき県外ナンバーが4台。
側にはテントも2張り。
ひとまず朝まで仮眠。






▲トイレ・登山届ボックスあり
夜中に着いた時には暗くて見えなかったけれど、
すぐ上に広がるなだらかな斜面(ゲレンデ)には雪のカケラすらない。

見上げる山のかなり上の方に少し白いものが見える程度。
何だか拍子抜け・・と言う感じ。


●カドハラスキー場 駐車場 出発 (6:50)●


身支度している間にも車が到着し、次々に出発されていった。

山頂までは11キロちょっと、標高差1200メートル。
ちょっと覚悟の要る高度差なんですよね〜。
けど、まあ、終わりのない登りはない!
一歩ずつ足を前に出していれば何とかなるでしょ(^^)v!・・・と正面から朝日を浴びながら木のチップの敷き詰められたゲレンデを登る。



一つ目のリフトから上は、石ゴロゴロの歩きにくい急坂に変わった。

登るほどに視界が開け、右手に大野盆地の雲海が、
後に広大な高原と雪を被った山が目に飛び込んできた。

六呂師高原と経ヶ岳だった。


大野盆地を覆う雲海と、気持ちの良さそうな六呂師高原(右)

案外あっさりと、それでも40分ちょっとかかってリフト最高所に到着。
リフトの残骸がベンチに丁度良い。衣類調節の小休止。


中央 (多分)シャクナゲ平  右 小荒島岳

右:経ヶ岳




ここから山道に入ります。



明るい自然林の登り。思わずカメラを向けたくなる木。
エント?
(※『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』参照)

ところどころ階段も現れる。
振り返れば梢の間から白い山がチラほら見え隠れしている。
どうやら白山みたい・・・。



800メートルを超えたぐらいから雪が現れ、雪の上を歩くことに





●白山展望所 (8:15〜8:25)●

登り始めて1時間半。左の木々が途切れ白山がすっきり姿を現した。



3週間前は反対側の大日ヶ岳から仰いだ白山。
やっぱり今日も目が覚めるぐらい白く気高く横たわっていた。


白山はやっぱり『白山や〜!』・・・などと妙に感心

この辺りからシャクナゲ平にかけて、それはもう見事なブナ原生林が続きます。
背後にチラホラ見える白山が嬉しく、ルンルン気分で軽快に登っていったのですが、帰りになって

『あれ〜?結構距離もあるし、勾配もあったんや〜・・・』と驚きました。



見事なブナの林がずっと続きます。



標高1000メートル付近でしょうか、フラットな林からは山頂へと続く稜線が望める。







あ〜・・・あそこを登るんか・・

どうやら、中央の露岩の辺りがモチガ壁のようです。
(画像ではいまいちなのですが・・)ちょっと引いてしまうくらいそそり立って迫ってきます。


雪はそれほど締まっていないのですが、
シャクナゲ平への急登の直前でアイゼンを着けました。



シャクナゲ平へ・・・急登!  (無雪期にはここはかなりの段差の階段のようです)


ふと下を見ると・・・あれ?

下から登ってきた3人組が左下の斜面をトラバースしています。
シャクナゲ平をショートカットして鞍部に行くみたいです。
で、私らもそれにならって左にトラバース。



●シャクナゲ平・モチガ壁 鞍部 (9:30〜9:45)●

歩き始めから2時間40分。
鞍部からは南に樹間越しに白い山が見えています。


『向こうの山の名前分かりますか?』
先の3人組が声をかけてきたのをきっかけに、地図を出してしばし皆で山座同定。


南に見えるのは・・・


銀杏峰(げなんぽ)と部子山・・のようです



さて、先に出発する3人を見送りながら、これからの急登に備えて、しばし心の準備と腹ごしらえ。

ここまでは割りとすんなりと登ってきましたが・・・。


この辺り、雪はカチコチに締まっています。
ストックをピッケルに持ち替えた方が良さそうです。



白山、見飽きることはありませんね〜


かなりの勾配です


相方は、『これでええ!』と頑固にストックで登りはじめましたが・・・
すぐ先で、やはりザックを下ろしていました。
ストックの石突が刺さらないそうです。

『そんなん最初から分かってるやん!』喉まで出た言葉を呑みこみます。






木があるので、それほど高度感はありませんが、
一歩ずつアイゼンを効かせながら着実に登っていきます。


一登りして、見下ろすと・・・


シャクナゲ平が真下に見えました。


小荒島岳


やっぱり・・・経ヶ岳(左)と白山(右)



↓モチガ壁上部の登り



登り切ると・・・
なだらかな尾根が山頂に向かって続いていました。
素晴らしい眺め!





左に白山から北ア方面、右に福井・岐阜の山々を眺めながら、天上の稜線歩きが続きます。

山頂まで一の平、二の平、三の平と続くらしいのですが、
どこがそれなのかよく分かりませんでした。

しばらく尾根を辿ると、正面に雪の壁が見えてきました。


↑画像では分かりませんが、かなりな勾配の壁です。
東(左)に大きなクラックが入っているのも見えますね。



クラストした雪面。アイゼンが気持ちよく効きます。

(・・が、帰りはもうアイゼンが必要ないくらい緩んでいたんですけどね。)





クラック・・・怖いですね〜



雪屁も・・・



雪面が再凍結して光っています

振り返ると・・・



高度感たっぷりです!








●山頂 (10:35〜11:50)●



広々としたドーム状の山頂。

駐車場から3時間40分。
モチガ壁下部から1時間でした。
が、素晴らしい眺めながらやっぱりその1時間が一番くたびれました(^〜^;)





暖かな陽射しが降り注いでいますが、さすがに北斜面から少し風が吹き上げています。
慌ててダウンとジャケットを着込みます。

少しばかり霞んではいますが、
もう、溜息しか出るものはありません。
荒島岳は独立峰なので、本当に360度見下ろすことができるんですね〜!

先ほどの新潟と長野から来られたという3人組の方たちと、やっぱり地図を手に
あ〜でもない、こ〜でもない・・と山座同定。



南の眺めでひときわ目立っているのは能郷白山。




東には、先日登った大日ヶ岳。ウイングヒルズスキー場が見えますね。






大日ヶ岳と白山の間には、乗鞍から穂高・槍が見えています。


パノラマ写真も撮りまくったのですが、綺麗に撮れていませんでしたので、
こちら

をご覧下さい(^▽^)v

『荒島岳ライブカメラ』のサイトです



捨てがたいのは眼下に広がる大野の町並み。


家の一軒一軒までもが識別できるぐらい、すぐそこに見えています。
・・ということは、向こうからも山頂がすぐそこに見えるということですね。

なんだかちょっと感動!です・・
下山後の楽しみが増えました(^-^)v




次から次へと登山者がやってくる山頂。
のんびりと昼食を摂り、尚もウロウロ。
去りがたいですね〜

中には登頂して写真だけ撮ってすぐに下山される方もいらっしゃいました。



11時50分。のんびり昼寝を楽しむ時間もありそうですが、下山開始。





未練たらしく振り返りつつ・・・


まだ続々と登ってこられます。



モチガ壁

この頃には雪面はかなり緩んでいて、ノーアイゼンで登ってこられる方もいました。


当然のようにシャクナゲ平はトラバースしてしまったのですが、
やはり下りぐらいは登っておけば良かったかも・・・。
山頂を望むことができるらしいです。



下りは遊びながら・・・

シャクナゲ平の下でアイゼンをはずし、のんびり休憩。足を休ませます。


大きなブナです・・・あれ?妙な人影が・・?

下山になって紫外線予防に覆面をしてみましたが・・・既に手遅れでした(T〜T)


さすがにくたびれて、リフト最高所までが長かった・・・。
気温が上がり土がぬかるみ、パンツの裾が泥まみれになってしまいました。




のんびり膝を休めていると、後から下山された人も次々に休憩。
地元大野市のグループの方たちや横浜から来られた方たちと、明日の山のことでわいわいガヤガヤ・・・。。

『あ〜、もしもし、県外から来られた方たちがたくさんいるんやけど、明日の天気はどうかね〜・・・』

わざわざ問い合わせもしてくれます。

『雨の中経ヶ岳に登ったら、ある意味、一生の思い出になりますよ〜』
かなりキツイらしい・・・(><)

『スキージャムのリフト利用で縦走はどうかね〜』
ちょっと心が動く・・・

『山は止めて越前海岸に行ったらどうかね?』
何度か行ってるんですけど・・・

『ちょこちょこっと、鬼ヶ岳に登るって手もあるよ〜』
鬼ヶ岳ってどこ?(^〜^;)

なんやかやで20分以上も・・・大野の皆さんありがとうございました
m(_ _)m

●駐車場下山 (14:40)●


スキー場のふきのとう



見上げる荒島岳はやはり堂々と風格あり!
雪を被っているこの時季、一層神々しく見えるのかも・・・。





夕方までくっきりと晴れ渡り、明日にかけて天気が急変するだなんて信じられない。
明日の登山を諦めきれず、市内から荒島岳を眺めた後、経ヶ岳の登山口六呂師高原に様子を見に行く。

高原のトロン温浴にのんびり浸かり、テレビの予報を聞くとやはり大荒れ。

またの機会に・・・と潔く諦め帰宅の途に。
帰りも深夜割引利用の調整をしながら、夜中の1時過ぎ帰宅。
さすがにくたびれました・・・(T〜T)

それにしても荒島岳、いい山だった〜・・・。








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