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▲燕岳山頂より北を望む
1週前から天気予報に目が離せなかった。 が、予報では週末の天気は思わしくない。 近づくにつれて、土曜の予報が少し好転。晴れのち午後から曇りに変わった。 が、日曜は雨。 憧れの燕山荘でまったり。夕日と朝日を観る!のが目的なのに、 これじゃ、朝日どころか夕景さえもガスの中・・かもしれない。 今回はきっぱり諦めて、次の機会に・・とも思ったけれど、 2日続きで相方が休める日なんて、そう、ない。 ま、とにかく、登るだけ登ってみようか・・と前夜9時自宅出発。 がら空きの中房温泉駐車場に着いたのが2時過ぎ。 満月が明るく空を照らし、午前中はお天気が持ちそうな気配も・・。 ・・・・・・・ 一眠りして目が覚めると、4分の1くらい駐車場が埋まっていた。 身支度を整えながらも迷い続ける。 きっぱり日帰りピストンと諦めて、荷物を軽くしてできるだけ素早く行動した方がいいかもしれない・・。 上で泊まったとしても、ご来光どころか多分明日は雨の中の下山になるだろう。 迷い続けて、結局、着替えも食料も、化粧道具もしっかり持ち、重いザックを担いで出発。 5:35 中房温泉登山口出発。 合戦ノ小屋までの登り、薄暗い木々の中の印象しかなかったけれど、、 初めてここが唐松林だったことに気が付く。 その唐松も芽吹き始めたばかりで、瑞々しい緑の梢の上に水色の空が広がっている。 荷揚げ用のワイヤーの下をくぐると第2ベンチ。 登山口から1時間ぐらいだった。休憩。 ▲相変わらずの急坂 第3ベンチを過ぎてしばらくで所々雪が現われる。 左手、木の間隠れにちらほらと白い稜線が覗いている。 第3ベンチと合戦ノ小屋の中間あたりから雪の上を歩く。 ▲山頂まで目印のポールあり ▲中央後ろが大天井岳 8:10〜8:35 合戦ノ小屋 登山口から2時間半。トイレをお借りし、大休止。 アイゼンを付ける。 ▲合戦沢ノ頭へ急登 小屋から少し急斜面を登ると合戦沢の頭。一気に展望が開ける。 ・・が、左側の稜線の鞍部からチラッと姿を見せるはずの槍は雲の中。 ▲中央:燕岳 燕岳山頂も見えてくるけれど、雲が影を落とし、どんより沈んでいる。 午後から天候が崩れるらしいので、まだ見えているだけましか。 今のうちに写真を撮っておこう。今にも雲の中に隠れてしまいそうな気配やし・・。 「オカアサン、シャッターお願いできますか?」 前後して歩いていた4人組の若者に頼まれ、写真の撮りあいっこ。 この子らが滅茶苦茶陽気で、カメラを向けるとさっとポーズをとるんだけど、 それがまた様になっているんやね〜! で、私らオジオバもついその気になって、ポーズ! 上でテントを張るという彼らとは、小屋まで抜きつ抜かれつ。 燕岳を右に、大天井岳を左に展望の尾根を登る。 雪が少し緩んできて、見誤ると踏み抜きに注意だ。 あれ?燕岳が明るくなってきてるではないですか! ▲雲が上がっていく 相変わらず大天井岳への稜線の向こうの槍穂方面は雲の中だった。 ▲左:大天井岳 その右奥にちらっと穂高方面(雲の中) ▲燕山荘が見えてくる 小屋が近づいてきて、尾根を直登の冬ルートで登りきると、最後の階段は雪なし。 冬季小屋の前を通り、西側から回り込んで小屋の前に出た。 ▲小屋の裏側 冬季小屋の前から大天井岳への縦走路 9:50〜10:20 燕山荘(2704m) 燕山荘の玄関前広場はすっかり除雪されていた。 正面に燕岳が聳える。 ▲白砂の燕岳がまばゆい ▲小屋前から裏銀座をバックに岳のポーズ・・・ グーじゃなくてパーですが・・ ( ̄〜 ̄;) 意外なことに、高瀬川の深い谷を隔てて裏銀座方面は稜線が見えているではないか。 春霞なのか黄砂なのか、景色がちょっとぼんやり霞んでいるのは残念だけど、これだけ見えれば大満足!! 宿泊手続きをするのも、まだ時間が早過ぎるし、そもそも泊まるかどうかまだ迷っているし・・。 ベンチでのんびり写真など撮っているうちに、 あれーー!! 雲の中から槍の穂先がチラッと姿を見せた。 ▲あっ!!槍っ!! チャンスを逃すなとばかり、シャッターを押し続けているうちに、 あれよあれよという間に、槍がすっきり姿を現す。 そして、穂高の稜線を覆っていた雲も上がっていく。 ▲予想外の展開・・槍穂がくっきりと 何ちゅうこと!! 今日は午後から天気が崩れる・・筈やったん違うの? でもまあ、こんな誤算だったら大歓迎だけど・・。 ・・・・・・・・・ 先ほどの彼らと又しても撮影大会。 『ここはやっぱり槍の穂先のポーズでしょ』 『昔の山ガールのポーズで・・』 『手のひらをぐっと反して前に出して・・』 予想外の好天に、わいわい賑やかに時間は過ぎて行ったのだった。 『お父ちゃん、やっぱり今日は泊まりやな! 山頂に行ってから、蛙岩辺りまでのんびり歩いていってみよ! 槍がだんだん近づいてくるしぃ・・わくわく・・』 とりあえず燕岳山頂に行きましょ!と出発。 山頂への道はすっかり雪は融けて、花崗岩のざらざらの斜面が出ていた。 今は何にもないこの白砂の斜面。 2か月もしないうちにコマクサが咲き乱れるなんて、不思議な気がする。 ▲お決まりですが・・・槍とイルカ岩 中央:山頂 ▲燕山荘を振り返る 山頂が近づくにつれて、前穂の吊尾根も見えてくる。 笠ケ岳を覆っていた雲も上がり、白い山頂部が見え始める。 ▲山頂手前から 10:50〜11:10 山頂 360度の展望の山頂は誰もいなかった。 ▲間近に北燕岳 北燕岳の向こうに立山や針の木、爺ヶ岳も見える。 東に有明山。麓の安曇野はぼんやり霞んでいる。 ▲北西から西の眺め ▲西の眺め ▲笠ケ岳アップで ▲西から南の眺め しばし大展望を満喫。こんなに天気が好転するとは予想もしなかった。 下手をすれば登りの途中ぐらいからガスの中も覚悟だったのに・・。 11:40〜13:10 燕山荘 小屋まで戻りベンチでのんびり昼食。 その間にも空はますます明るく、稜線はますます白く神々しく光り輝いていく。 もしかして、このまま夕暮れに突入。 んで、明日はご来光!! いやいや、いくらなんでもそこまでもたないでしょ、多分・・。 トイレを借りるついでに、小屋に天気予報を確認に行く。 『お天気、これからどうなるでしょ・・?』 そう聞かれても小屋のオニイサンは困るだけと思いつつ・・。 『え〜予報では、午後から崩れる・・・はず、なんですけど・・・ 明日は雨ですけどね〜、多分。低気圧が近づいてますし・・・』 やっぱり・・・。 あ〜、さっさと雲が湧いてきて山を隠してくれれば踏ん切りがつくのに・・。(何ちゅう自分勝手な!) その間にも小屋の前は人が入れ代り立ち代りやってきては去っていく。 私たちより後から登ってきた人たちも、驚くほど思い切りよく下山していく。 夏ならともかく、積雪期の燕岳日帰りピストンなんて、相当な健脚だけかと思っていたけれど、 見ている限りではかなりの人が日帰りのようだった。 考えてみれば登山口までゆっくり歩いても3時間もあれば下りれるのだ・・。 まだ迷いながら 『下山するのがもったいないくらいのお天気ですね〜』 側にいた単独さんに声を掛けると、きっぱりおっしゃった。 『明日はダメですよ』 そ、そうだ・・明日はダメ、絶対展望なんてなし。 ご来光なんて絶対拝めそうにない。 山上での宿泊の醍醐味は、夕景とご来光。それがなくて、いか程の楽しみがあろうか・・。 単独さんの明日はダメの一言に背中を押されて、下山することに決めた。 相方もさっさと下りて、明日の貴重な休みを休養日に充てたいみたいで即賛成。 テント泊で既に宴会モードの例の4人に別れを告げて、燕山荘を後にした。 ▲またどこかでお会いしましょう! ・・その前に、ちょっと大天井岳方面に稜線を辿る。 ほんの少しだけど、先ほどより少し槍が大きくなった気がする。 山はますます光り輝いている。 500メートルほど先の下りの手前で引き返す。 ▲山荘西側から山々に別れを告げる 13:10 下山開始。 ひーひー言いながら登った斜面も下りは早い。 が、雪が緩んできているので、踏み抜きに注意だ。 雪の上でも汗ばむような陽気。温度計を見ると、21度を越えていた。 あまり当てにならないので、実際はもっと気温が上がっていたかもしれない。夏並みの暑さだ。 下から登ってきたご夫婦に、『今日は小屋泊まりですか?』 と声を掛けると、日帰りとのことで驚いた。 この時間からでも日帰りするのか・・。 ▲大下りの鞍部から槍 槍と燕岳に最後のさよならをする。 あ〜・・早く曇ってしまえーーー!! 13:55〜14:15 合戦ノ小屋 合戦ノ小屋でアイゼンを外し大休止。 少しばかり膝に違和感を感じるという相方を気遣いつつ休み休み、 それでも2時間40分ほどで登山口に戻ってきたのだった。 16:05 登山口到着 堀金の温泉『ほりで〜ゆ』でのんびり汗を流す。 (500円 JAF割引有・・帰宅後気づく・・涙) 小屋代が浮いた分、安曇野辺りで美味しい蕎麦でも食べようと思ったけれど、 探すのが面倒で、結局梓川SAで夕ご飯。 (ここのレストランはお気に入りです。お奨め!!) 結局、夕暮れまで晴れ。麓からくっきりと北アの稜線が逆光の中に浮かび上がっていた。 いい山の1日だった。 燕山荘に宿泊。それが目的だったのに、何をやってるこっちゃ・・。 でも、またいつでもその機会はやってくる。 日帰りピストンなんてできなくなったら、その時は泊まるしか仕方がないんだからね。 モルゲンロートの燕岳と雲海からのご来光はその時までの楽しみにとっておこう。 翌日、太腿は何ともないのにふくらはぎの下が結構痛い。 運動不足の体には、キックステップの踏ん張りがやっぱりきつかったみたい。 山を長く楽しむためにも、日頃の体力作りが肝心。 と思いつつ、パソの前でうろうろしてたらあかんやん・・・今日も暮れゆく・・ (T-T)/~ こうして山を歩ける幸せな日常があることに感謝。 blogページ |
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