ルネのきままなアトリエ
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2008年11月5日(水)  晴れ  Tさんと


▲上谷

Tさんに秋真っ盛りの芦生を案内していただきました。

福井県側の虫谷林道からタイコ谷へ。谷を遡り県境尾根を越え、クツベ谷から上谷へ。
錦秋の芦生の森を満喫した一日。



コース 広域地図     コース地図 
10:45 虫谷林道杉尾坂登山口(標高350mぐらい)
11:00 杉尾坂への尾根道と別れタイコ谷左股に(飯場跡?)
11:40〜11:50 三股(右尾根へ)
12:25〜12:55 県境尾根 倒木のコル付近(昼食)
13:00 倒木のコル(県境尾根)クツベ谷へ
13:30 上谷
14:00 キエ谷出合(引き返す)
14:18 クツベ谷出合
14:52 倒木のコル
16:13 駐車地



芦生は遠い。福井県側から入山だと尚遠い。
朝5時半自宅出発。Tさんと待ち合わせの高槻市まで2時間余り。

Tさんの車に乗せていただき、亀岡、園部、美山町をを経て、R162の堀越トンネルを抜けると福井県

名田庄村の道の駅を過ぎ、前回通った林道染ヶ谷線の入り口を通り越し、15分程走り右折。
虫谷林道に入る。

大小の落石が散乱したダートな林道は、四駆でなければ入れない。
大きな石は、車から下りて撤去。

肝を冷やしながら、やっと小広い場所に到着した。
広場の端に「杉尾坂登山口」の標識。

自宅から5時間近くの道のりだった。



●登山口出発(10:45)●

今日は杉尾坂のルートを途中から離れ、そのままタイコ谷を遡り、
県境尾根を乗り越し上谷に下る予定。

杉尾坂登山口の標識はあったもののルートは踏み跡程度。
渡渉を繰り返しながら20分ばかり進むと、一升瓶が散乱した飯場跡らしきところに出る。


登山口標高350mぐらい

杉尾坂登山口の標識はあるが・・
道は不明瞭

タイコ谷を遡る


●飯場跡? 杉尾坂分岐(11:00)●

杉尾坂へはここから尾根通しに登ることになるらしい。
が、その尾根通しのルートも落ち葉に覆われ判別しがたい。
「ホントにここを歩く人がいてるの?」と首をかしげるような道。


飯場跡(?)

谷を高巻く

ここから杉尾坂と分かれ、このまま更に谷を遡ることになるが、
滝を避けて杉尾坂ルートへ少し登り再び谷へ。

谷を40分ほど遡ると三股

ここまでの地点で、まだ標高600メートルにも満たないのに、ブナが姿を現していた。


●三股(11:40〜11:50)●


三股 二段の滝



三つの沢に挟まれた右側の尾根に取り付く

三つの沢に挟まれた二つの尾根の右尾根に取り付く。

ここから県境尾根の倒木のコルに向けては、かなりの急斜面。
湿った土の上に落ち葉が降り積もり、滑りやすく気の抜けない登りだ。

もちろん道はない。
目印のテープも無い。

この辺りを歩きつくされたTさんと一緒だから辿れるルートだ。



20分もよじ登ると、次第に傾斜が緩やかになり、色づいたブナが姿を見せ始めた。

県境尾根が近づくにつれ、木々はますます鮮やかさを増す。


滑り落ちそうな急斜面


次第に明るい斜面になる



色づき始めたブナ

大地に倒れると、その巨大さに驚かされる







ブナ、ミズナラ、トチの巨木が目を惹く



●倒木のコル 手前 (12:25〜12:55) 昼食●

倒木のコルの50メートルほど手前、ドーム状になったところで昼食にする。




周囲を取り囲むブナ。
色づいた梢から見上げる空はどこまでも青い。
夢のような空間だ。



昼食後、コンロのカートリッジをザックに仕舞おうとして、手が滑った。
斜面をころころ転がっていく。

追いかけようとしたが、一本の下草もない斜面。
止まることなくころころ転がり続け、数十メートル下の窪地で方向変換。
更にころころ転がり、みるみるうちに見えなくなってしまった。

不謹慎かもしれないけれど、その転がり落ちていく様が何となくユーモラス。
まるで生きているかのように、とっとと逃げていってしまった。

斜面を下って探しに行ったけれど、谷底まで落ちてしまったのか見つけられなかった。





すぐ右手が倒木のコル


ドームから5分ほどブッシュを掻き分けると倒木のコル


●倒木のコル(13:00)●


見落としそうな小さな標識

シンコボから県境尾根を南に500メートルほどの地点。

シンコボから縦走すると、きっとこの手前で道迷いしてP812の支尾根に入ってしまうだろうな・・。

ブッシュに覆われ落ち葉が積り、どこに道があるのか全く分からない。
これが県境尾根と言われても、信じがたいような地形だ。

芦生の森は、1000メートルにも満たないというのに、尾根筋と谷が複雑に入り組んで非常に複雑な地形をしている。
面白い!


コルからは、標識では×印の付いているクツベ谷上谷に向けて下る。


▲ツクベ谷のトチの巨木
クツベ谷の源頭部は、右岸を巻いた方が賢明だ。

少し先で谷に下り、渡渉を繰り返しながら下る。


昨秋、櫃倉谷とロクロ谷を歩いた時、Tさんが

「上谷の道は、高速道路」
とおっしゃった。


高速道路・・ってどんなんや・・。

が、芦生では一番の人気のルート。
一度は歩いてみたかった。


生杉からのルートがアクセスにも一番近いけれど、そこからはまだ入山禁止になっているらしい。



30分ほどでいきなり広い平地に飛び出した。上谷だった。

●上谷(13:30)●

ここからしばらく谷を下る。


上谷

水溜りに空が映る。

どこまでも続く広い穏やかな谷。
まるでどこかの公園を散策しているような気にさえなる。


向こうから単独男性がやってくる。今日初めて出会う登山者。
更に10人ほどのツアー二組もやってくる。









キエ谷出合までやってきた。
今日は出発が遅かったので、ここでUターンする。

●キエ谷出合 (13:57)●



先ほどすれ違ったツアーのグループに追いついた。
ガイドさんが何やら説明している。


サワグルミ
リスが中身を食べた痕

中央の穴でリスが胡桃を齧っていたらしい


帰路は同じルートを辿ることにする。




逆光の中浮かび上がる木々。
落ち葉の降り敷いた大地。




●クツベ谷出合 (14:18)●




●倒木のコル (14:52)●

昼食場所からカートリッジを探して、登りとは別の斜面を下る。
数十メートル下の谷の窪地にカートリッジが引っかかっているのをTさんが見つけてくださった。
無事回収。


下草のない斜面

急斜面をトラバースして、登りのルートに軌道修正



●登山口 (16:13)●




途中コーヒーブレイクをし、登山口に戻ってきたのが4時過ぎ。
北向きの谷には夕暮れの気配が漂い始めていた。








「癒しの谷」・・。

癒しと言う言葉は、今では余りにも頻繁に使われ過ぎて、もともとの新鮮さがなくなってしまったような気がして使いたくないのだけれど、やはり芦生の森を表現するにはこの言葉しかないように思う。

癒しノ谷。癒しの森。

地図を広げ、まだ見ぬ森の奥に想いを馳せるルネオバでした。




■2007年11月14日  櫃倉谷・ロクロ谷周回レポ■





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