ルネのきままなアトリエ
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滋賀県・標高1083m
2006年4月9日(日)
晴れ
夫と
上:最高点ピークより伊吹山を望む
コース
広域地図
詳細地図
8:05
今畑下(林道脇駐車)
9:00〜9:10
笹峠
9:50〜10:10
近江展望台
11:15〜11:27
最高点ピーク(1093m)
11:43〜12:35
霊仙山山頂
12:52
経塚山
13:10
お虎ガ池
14:11
汗フキ峠
15:01
今畑下駐車地
念願の霊仙山に登った。
3年程前までは名前も知らなかった山・・・。
山のサイトで目にするようになり、訪ねる機会を窺っていた。
長い冬を耐え抜き、ここぞとばかり太陽に向かって咲き誇る福寿草の群落。
大雪山を歩いているような錯覚にとらわれる頂上付近の大らかな山稜。
山を行く喜びを静かに感じた一日。
天気予報では終日晴れ。
藤原岳と甲乙付けがたいほど福寿草が見事だという霊仙山。
今日あたりは、どっと登山者が押し寄せるに違いない。
出来るだけ早く出発しよう。
そうは思うものの、自宅を出発したのが5時過ぎ。
名阪国道を上柘植で降り、県道4号から日野水口グリーンバイパスを経て国道307号線を北上。多賀大社を過ぎ、久徳(きゅうとく)交差点を右折、県道17号線へ。
河内風穴駐車場で左折。
前後には車は一台も走っていない。もしかして、一番乗りかも・・・。
・・・などと思ったけれど、とんでもなかった。
廃村今畑への登り口手前の路肩には既に10台近くの車が止まっていた。
路肩にはずらっと駐車車両。
登山口の向こうの方にも、やはりびっしり車が止まっている。
準備をしている間にも次から次へと車がやってくる。
廃村今畑への登山口を登っていく。数分も行かないうちに、崩れかけた石垣が現われる。
以前は、この上にも家が建っていたに違いない。
後数年もしないうちに、この石垣も崩れ落ちていくのだろう。
季節は巡る・・・
落ち葉のうず高く積もった空き地に、一抱えもある大きな瓶が転がっていた。
雨水が溜まり、青い空が映っていた。
石垣にひっそりと咲く福寿草
つい昨日まで誰かが住んでいたような・・・
いつ頃人が住まなくなったのだろう・・・。
お寺や何軒かの家は、つい昨日まで人が生活していたような気配がする。
お寺の側の井戸には、こんこんと水が湧き出て、真新しいポリバケツが置いてある。
村を去っても、しげく墓参りに戻ってくるのだろう。寺の上の墓地には真新しい花が供えられていた。
ここはまだ、廃村という言葉の持つもの悲しさは余りない。
が、季節が巡るごとに静かにゆっくりと、全てのものが崩れ、朽ち果て土に返っていく・・・。
人がいなくても、春が来て深い雪が融けると福寿草がそこかしこに彩を添える。
人のいとなみのあるなしにかかわらず、自然は忘れず巡ってゆく。
・・・などと、少しばかり感傷に浸りながら今畑を通り過ぎる母さんだった。
(いつもふざけてばかりいるおばちゃんではないのだ。いや、むしろ、これが本来の姿なのだ。えへん!)
掘れ込んだ道
雪も残る
石灰岩の大きな岩も現われる
今畑を過ぎ、植林帯の中深く掘れたジグザグ道をどんどん登っていく。
植林帯が途切れ、自然林が現われ周囲が明るくなってくる。
所々雪も残っている。
葉を落とした木々の梢から西南尾根が見えてくる。
程なく笹峠。
正面に御池岳が・・・
あ、あれが鍋尻山か・・・
西南尾根を見上げる
笹峠はその名前の通り、熊笹に覆われた見晴らしのよいところだった。
斜面の少し広くなった所で小休止。展望を楽しむ。
正面には御池岳、そして、つい先日名前を知ったばかりの鍋尻山。
目の前には、西南尾根の斜面がぐぐぐっと、大きく立ち上がっている。
思いのほかキツそう・・・。
ふ〜、キツイです
どんどん高度を稼いでいく
さて、気を引き締めて西南尾根の斜面に取り掛かる。
琵琶湖側からかなり強い風が吹き付けてくる。
それにしても・・・皆さんの山行レポで何度も読んでいたけれど、ホント、キツイ!!
振り返ると、次から次へと下から人が登ってくる。
何だかせかされるような気になる。
お腹もかなり空いてきて、なかなか足に力が入らない。
山頂へ連なる西南尾根
あっ、福寿草!
キツイ登りも40分足らずだった。
登りきったところが近江展望台だった。
眺めは抜群。
西南尾根が緩やかに山頂へと連なっている。
黄砂のせいもあるのかもしれないけれど、遠くは霞んで見えない。
とりあえず休憩。
アンパンを貪るように食べる。
先程の登りの斜面であれほど吹いていた風も、ここではほとんど吹いていない。
雲はあるものの、時折雲間から太陽が顔を覗かせる。
近江展望台から50メートルも行かないうちに、辺りに黄色い花が見えてきた。
福寿草。
そこから先は、もう、これでもかこれでもかというくらい、福寿草の金色が斜面を彩っていた。
緩やかに山頂へと続く西南尾根
太陽に向かって・・・
今を盛りと咲き誇る福寿草
深い雪の中で、ひたすら春を待ちわびて・・・
雪融けとともに、春の光を浴びて一斉に花開く・・・
山頂が次第に近づいてくる (中央:山頂 右:最高点ピーク)
カレンフェルトの斜面
南霊岳から最高点ピークを望む
まるで、日本アルプスか大雪山の稜線を歩いているような快適な尾根歩き。
けれど、福寿草の群落のあちこちに縦横無尽につけられた足跡。中には無残に葉っぱを踏みつけているものもある。
数年後も、いや、この先ずっと、ここを訪れた登山者たちが、この素晴らしい眺めを享受できることを願う。
南霊岳付近からはますます道は歩きづらくなる。
尖がった石灰岩がごろごろした上を、足をとられないように慎重に歩く。
最高点ピークの手前から笹の斜面を緩やかに登っていく。
福寿草はこの辺りまでだった。
最高点ピークの東斜面には大きな雪渓が残っていた。
向こうに薄っすらと伊吹山が見える!
中腹より上はまだかなり雪が残っている様子。
最高点ピーク
左:霊仙山ピーク 右:経塚山 その右手稜線上に避難小屋が見える 向こうに伊吹山
最高点ピークからの眺めも圧巻だった。
霞んでいて写真でははっきりしないけれど、経塚山の向こうに伊吹山。
その左側に白い尖がった双似峰に見える山。どうやらあれが金糞岳らしい。
いつか登ってみよう。
その左に遠く、白く連なって見えるのは能郷白山か。ここも登ってみたい山。
経塚山の稜線から少し下った所にこじんまりとした避難小屋が見える。
あ〜、あそこでジオンさんがバースデーケーキを作ったのか・・・。などと、他の方の山行レポで目にした写真の一コマ一コマがまるで自分が体験したかのように浮かんでくる。
左:藤原岳 右:御池岳
最高点より山頂に向かう
南には鈴鹿の山々が連なっている。
目の前に御池岳と藤原岳。
6日前には、強い風の中藤原岳を一人で歩いていた。
あの時は、こちらの方は雲の中でほとんど見えなかった。
ひとしきり眺めを楽しんだ後、山頂に向かう。
緩やかに下って登り返す。
15分ほどで山頂着。
霊仙山山頂
山頂から 浅い谷を隔てて西南尾根が横たわる
遠くに鈴鹿の山々が連なる
仲良く並んではいるが・・・
♪デザートは花見団子♪
哀愁の・・・微塵も感じられない背中
(そこはなとなく漂うオバサン臭さ・・・)
ふん!オバサンですもん( ̄¬ ̄)
山頂から北の眺め お虎ヶ池の鳥居が小さく見える 伊吹山、金糞岳、能郷白山が少し大きくなった?
琵琶湖方面の眺め
ピークを回避するルート
琵琶湖側、近江平野はぼんやり霞んでいる。
残念ながら、湖西の比良は眺めることができなかった。
山頂を辞し、下山開始。
経塚山との鞍部に下りる。
左に雪の上を経塚山ピークを回避してお虎ヶ池へのルートがついている。
初めての山なので、ピークを踏むことにして斜面を登る。
経塚山山頂
霊仙山山頂を振り返る
何のことはない、笹の斜面を5,6分で山頂に着いた。
山頂部は岩がごろごろ。
ここも眺めは素晴らしい。
伊吹山が先程より、また少しだけ近くなった気がする?
これから下山する樽ヶ畑道を見下ろす
笹の斜面を快調に下り・・・
所々残雪の上を歩く。
・・・うう、まぶしい!
(またシミ・シワ・タルミが増えていく・・・(T〜T))
霊仙山ピークを見る
お虎ヶ池の鳥居
先程の鞍部からのピーク回避ルートを歩いている人、霊仙山ピークから直接雪の斜面を、こちらに向かって下りてくる人もいる。
お虎ヶ池は琵琶湖の形をしているらしいが、池畔で立ち止まって喋っている人がいたので、じっくり見損なってしまった。
この辺りは夏から秋にかけていろんな花が咲き乱れるらしい。
ロープも付いている
標識が・・・
前も後ろもぞろぞろ・・・
お猿岩というのか、下りが始まる前の少し広くなったところに数十人が休憩していた。
脇をすり抜け、岩のごろごろした急傾斜の道をぐんぐん下っていく。
5,6分下り切ったところに、標識が立っていた。
どうやら、今下りたルートは危険なので、お猿岩から迂回ルートが付けられているらしい。
気がつかなかった・・・。
潅木の斜面をどんどん下っていく。前にも後ろにも登山者がぞろぞろ。
さて、ミスミソウはどこに生えているのだろう?
後ろを歩いている3人の熟年女性。耳に入ってくる会話から、何やら花の名前をよく知っていそうな気配。
で、聞いてみる。
「あら、西南尾根の下の方にあったわよ!通ってないの?」
「いえ、通ってます。気がつきませんでした・・・(汗)」
ところがしばらく行って下から、
「ありましたよ〜!」の声が聞こえてきた。
あった!
小さな白い可憐な花・・・。
ミヤマカタバミ
ミスミソウ
汗フキ峠に着くと・・・あれまあ、何と!自転車が数台!
そのうちの一人は自転車に乗って樽ヶ畑に向かって山道を駆け下りていくところ。
皆さん、中高年の方ばかり。
まあ、すごいなあ・・・と驚きながら落合への道を左に曲がると・・・
ぞろぞろ下からやってくる自転車軍団!
自転車を押して、急斜面を上がってくる。
中には、どう見ても70歳は越えていらっしゃるのでは・・・という方も・・・。
普通に歩くのさえキツイ下り。
聞くと、あちこちから集まった5つのグループで、総勢50人とのこと。
すごいなあ・・・の後に言葉が続かなかった・・・。
流れの側にも、かつては家があったのだろうか?
落合集落
多賀大社付近から見た西南尾根
落合手前で谷川に下り、靴の汚れを洗い落とす。
落合にも数十台の登山者の車が駐車していた。
3時、予定していたより随分早く、車の所に戻ってきた。
ふ〜お疲れさん!
山頂から見えた金糞岳、能郷白山。いつか訪ねる日がやってくるだろうか・・・。
山へ行くほどに新たなる目標が増えてきます。
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