ルネのきままなアトリエ
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   〜白銀の西南稜を辿る〜
●比良山系 標高:1214m
●2009年1月28日(水) 晴れ
●単独


▲西南稜を見下ろす
比良山系の最高峰、武奈ヶ岳。
今季こそ冬に登ってみたいと機会を窺っていた。

年末に山友の単独行さんが行かれたが、深雪のラッセルに苦戦。途中撤退されたらしい。

年が明けて比良方面、天気も思わしくなく相変わらずかなりの積雪の様子。

ルネオバの場合、登山路の雪も気になるけれど、加えて道路の状態が気にかかる。車はスタッドレスながら二駆。雪道運転には不慣れ。
おまけに、チェーンを着けた事なし。着け方知りません・・(><)

が、その雪もかなり融けているらしく、先週辺り比良山系に登られた方のレポを見ると路面に雪はなし!(^O^)v

よっしゃーー!!
雪の西南稜へGO!!   


コース  広域地図     コースマップ   
 9:25 坊村 葛川少年自然の家駐車場
 9:35 明王院登山口
11:40 御殿山
11:50〜12:05 わさび峠
12:40〜13:20 山頂
14:05 御殿山
15:30 駐車場



真っ暗な中、ワンコをたたき起こし散歩。
相方と子どもの弁当を3つ、作る。いつもより豪華だ。(ほとんど夜のうちに準備)
昨夜寝たのは2時前。
たった3時間の睡眠時間。これじゃ、皺も増えるはず・・・って、これは関係ないか・・( ̄〜 ̄;)

ま、普段はともかく遊びに出かける時ほど、ちゃんとしないと後がうるさい申し訳ない・・(^〜^;)
そんなこんなで、自宅を出たのは6時30分になっていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かなり遠回りにはなるけれど、今回も京滋バイパスから大山崎JCT経由で名神を使う。
が、京都東ICから湖西道路への道が渋滞。
登山口の坊村までやはり3時間近くかかってしまった。

花折トンネルを抜けた途端、道の両脇に除雪された雪が融け残っていた。


アクセス:橿原―(京奈和自動車道)―久御山JCT―(京滋BP)―大山崎JCT―(名神)―京都東―(湖西道路へ)―真野IC―R477―R367





●葛川少年自然の家駐車場出発 (9:25)●

国道脇に公衆トイレ

路面の濡れたところはカチコチに凍て付いてます・・・注意注意!!

安曇川の向こうには白い山並み





比良山荘手前でトイレを済ませ、出発。
橋を渡って明王院を通り抜けようとしたら、工事中で左に迂回することに。

●明王院登山口 (9:35)●



登山口からすぐに始まる急登はキツイ。おまけに、杉林やし・・・。

日の差し込まない林の中は、ザラメ状の雪が凍りかけているけれど、踏み固められておらずアイゼンを着けるほどでもない。

傾斜が緩んだところでアイゼンを着ける。
その間に、単独男性が追いついてきて、たちまち見えなくなってしまった。
早!!


植林帯を抜け、P846直下の雪の急斜面はこのコース一番の頑張りどころ。
キックステップでよたよたと喘ぎながら・・。
雪の深いところは、ずるずる滑りそうになる。


登山口から1時間ほどでP846近くのフラットなブナ林に登りつく。
風はほとんどなく、柔らかな陽射しがブナ林に降り注いでいる。



P846手前のブナ林


すぐ上で右に夏道が分かれるが、もちろん雪の中。
そのまま尾根通しの冬道をよたよたと登る。


写真ではそれと分かりにくいのですが・・
ちょっと勾配のキツイ斜面を登ると・・

展望が広がります!
振り返れば、峰床山(北山)の八丁平


更によたよたと(しつこ〜・・)登ると・・・夏道との合流点。


冬道の西斜面には(申し訳程度に?)針金が・・・



幹の周りの雪はこんなに融けています。

積雪は1メートル近くあると思うのですが、締まっておりほとんど沈み込むことはありません。
でも、雪の上には深いところで40センチほども雪を踏み抜いた跡があちこちに残されています。



山スキー(?)のトレースと小動物の足跡



木の間越しに西南稜が見えてきました。





●御殿山 1097m (11:40)●

登り始めて2時間。
御殿山は東側から強い風が吹き付けていた。360度の展望!

寒〜・・(><)

とりあえず写真!


白くたおやかな西南稜が全貌を現す




その右にコヤマノ岳への稜線


振り返れば、びわ湖バレイの打見・蓬莱山

左手には北山



身を切るような風に追い立てられ、
雪を蹴散らしワサビ峠に駆け下りる!


下にワサビ峠

峠の標識は雪に埋もれていた。


●ワサビ峠 (11:50〜12:05)●

少し先の潅木の茂みで風を避けながら小休止。
お腹も空いてきたので、パンでエネルギー補給。



すぐ向こうから潅木が途切れ、山頂まで真っ白な雪の斜面が続きます。

だらだら緩慢な登りの後は・・・


かなりの傾斜!!
キックステップでよたよたと(まだ言うか・・)軽やかに!!



霧氷はないけど、最高の眺め・・山頂が次第に近づいてくる

まさに天上散策\(^-^)/



緩やかにうねりながら山頂へと続く稜線


下山してこられた方に山頂の様子を聞くと、10人ほどの登山者がいる様子。
ただ、風が強くじっとしていられないくらい寒いらしい。



今まで隠れていた山頂が初めて姿を現す


更に一登りで八雲ヶ原からの道と合流。



西南稜を見下ろす

丁度琵琶湖側から登ってこられた単独男性と鉢合わせするが、
すぐ向こうの山頂には人影は見えない。



100メートルほど先に山頂




●武奈ヶ岳山頂 1214m (12:40〜13:20)●

無人だと思った山頂は、西側斜面の潅木の陰に5,6人登山者が休憩していた。
ほんの数メートル下っただけで、強い風が遮られる。

とりあえずザックを下ろし遮るもののない展望を満喫。


北西の眺め

昨秋歩いた小入谷林道が白い引っ掻き傷のように



北〜東の眺め

琵琶湖側はすっきりとクリアーに晴れ渡っているわけではなかったけれど・・

山頂でいらっしゃった方が、薄っすらと白山が見えてきたと教えてくれた



南の眺め



ひとしきり展望を楽しんだ後、潅木の陰でカップ麺とパンの簡単な昼食。

同時に到着した男性が去ると、山頂は独りになってしまった。

去りがたい思いを振り切り、山頂を後にする。





今日の最終下山は私か・・・と思ったけれど、すぐに琵琶湖側から男性が登ってきた。
(この後、西南稜下山中にも登ってくる単独男性3人に出会う。)








高度感溢れる下りです


さて・・・と・・下山は・・・


スノーシュー・ヒップソリ・・よりどりみどりですが・・・


アイゼンをはずすのが面倒なので、やっぱヒップソリ!



雪山必須アイテム(^-^)v

が、どこでもズリズリ・・という訳にはいきません。


でもねぇ・・・独りでソリ遊びをしても・・・面白くも何とも・・・

・・それが、面白いの何のって!!(^▽^;)>゛



↓こんなところはもちろん避け・・・

東に張り出した雪屁


トレースを崩さないように気をつけながら、ヒップソリでズリズリ・・

5メートルほど滑っては
「よっこらしょ!!」と立ち上がり・・・
また数十メートル先でズリズリ・・・

で、「よっこらしょ!!」→ズリズリ→「よっこらしょ!」→ズリズリ・・・以下繰り返し(^〜^;)

は〜、歩くより疲れますわ〜・・・(^▽^;)>゛




独り撮影は難しい・・・


登りと大して変わらないぐらいの時間をかけて、遊び遊び駐車地に戻ってまいりました。


●駐車地 (15:30)●




●まったくどうでもいい話なんですが・・・●



大昔の学生時代のこと。
山には全く無関心の親友にこの西南稜の胸のすくような眺めを見せたくて、山に誘ったことがあった。

「山頂まで3時間かかるねんけど・・・ちょっとキツイかなぁ・・。・
けど、ゆっくり歩いたら大丈夫やし・・。
ほんまに、ものすごーーくきれいやねんで〜」

当日。
喘ぎながら登る私を尻目に、彼女は涼しい顔で
すたすたと駆け上がっていく。
えっ・・・?
こちらは、やっぱプライドってものがあり息切れを悟られないように必死だ。

「そんなに最初から飛ばしたら、バテるよ!」

西南稜の途中で、
「な〜!!すごいやろ〜、この景色!!」声をかけると、
彼女
「ふ〜ん・・・」

な、なんかクール・・・(>_<;)

バテることもなく、かなりのスピードで山頂に到着した彼女が発した一言は、

「これだけ?」

な、何?( ̄□ ̄;)!!
こ、これだけ・・・ってか?!
何ぼなんでも、そ、それはないやろ・・・・(><)

多分その一言にかなりカチンときた私は(何もカチンとなることもないのですが・・汗)、下山のダケ道をものすごい勢いですっ飛ばした記憶がある。( ̄m ̄)ぷぷぷぷ
もちろん、彼女は涼しい顔でぴたっと付いてきましたけどね・・

・・・負けました・・・(○_○;)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼女とは卒業後もずっと親しく交流が続いていたが、何年も後、その時のことが話題になったことがあった。

彼女曰く。
登りはともかく、下りはかなりきつかったらしい。
おまけに、京都駅に帰り着いてから下宿までの40分程の道のりを、
「市電がもったいないし、歩こう」と言われた時には

この上、まだ歩かされるのか・・・と、泣きたくなったそうな。
(ちなみに、大山口から比良駅までも、どういう訳かバスにも乗らず歩いた)


私は覚えていないのだけれど、ネオン瞬く街中をとぼとぼ歩き、くたくたになって下宿に辿り着いたそうな。


武奈ヶ岳には何度も登っているはずなのに、彼女と歩いたあの日ことが、断片的ながらいつまでも妙に頭の中にこびりついている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2004年の3月末、ロープウェイが廃止される2日前、30年近くの年月を経て武奈ヶ岳に登った。
最初で最後のロープウェイ利用。
「老化した」膝では、もうこの先自力でここに登る日がやってくるとはとても思えなかった。

人でごった返す山頂で、もう二度と見ることはないであろう景色をいつまでも眺めていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・のに、2007年春、30年ぶりに西南稜を辿る
そして、今日再び!

希望ってもんはやっぱ持ち続けるモンですよね(^O^)v









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