ルネのきままなアトリエ
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槍ヶ岳:3180m  鷲羽岳:2924,2m  三俣蓮華岳:2841m  双六岳:2860,3m  奥丸山:2439.5m

―4日目 8月9日(木) 快晴―   〜下山、槍平から大展望の奥丸山ピストンも〜
コース 広域地図     コース地図
 6:25 槍岳山荘
 6:34 飛騨乗越
 7:13〜 7:20 千丈沢乗越分岐
 8:48〜 9:08 槍平
10:05〜1018 奥丸山
10:55〜11:30 槍平
12:20〜12:30 滝谷出合
13:20〜13:30 白出沢出合
15:05〜15:15 新穂高温泉バスターミナル
15:30 駐車場






←ご来光(槍の肩より)


⇒1日目  8月 6日(月) 新穂高温泉〜ワサビ平〜(小池新道)〜鏡平〜双六小屋(泊)
⇒2日目  8月 7日(火) 双六小屋〜三俣山荘〜鷲羽岳〜三俣蓮華岳〜双六岳〜双六小屋(泊)
⇒3日目  8月 8日(水) 双六小屋〜樅沢岳〜(西鎌尾根)〜槍岳山荘〜槍ヶ岳ピストン〜槍岳山荘(泊)
⇒4日目  8月 9日(木) 槍岳山荘〜飛騨乗越〜槍平〜奥丸山ピストン〜新穂高温泉




4日目、最終日。
山旅のフィナーレを飾る素晴らしい天気に恵まれ、大展望を満喫しながら下山しましたとさ。

以上。


・・・の一言で終われるレポなんですが・・・( ̄〜 ̄;)

3日間辛抱強くお読みくださった方に感謝しつつ、もうちょっとだけくどくどと書くことにいたします。
(感謝するなら、さささっと手短に済ませろ・・って?・・(×_×;)





山頂へはヘッドランプの行列
3時過ぎ、部屋の窓から外を見ると、夜空に槍の穂先が見え、星が瞬いていた。
天気予報では今日からしばらく安定した夏型になるといっていたけれど、予報どおりの好天が期待できる。

ご来光は5時過ぎ。
食事は5時からなので、いつもだったら並んで一番乗りするけれど、今日は下山だけ。そうあくせくする必要はない。

4時半、身支度を整えパッキングを済ませ、ダウンの中着にヤッケを着込み外へ。
もうたくさんの人が日の出を待っている。

空高く有明の月
テント場の横の岩峰で夜明けを見ることに。
西からかなり強い風が吹き上げている。

東の空に少し雲はあるものの、文句なしの晴れ。
今回の山行で初めて拝むご来光だ。

山旅のフィナーレを飾るにふさわしい素晴らしい贈り物・・。


刻々と変化していく黎明の空

あ・・陽が登る・・・

見守る人々の口からは
溜息やら歓声やらが思わず漏れる


朝日に輝く山荘

夜明けと同時に浮かび上がる周囲の山々。

振り返ると、深い蒲田川右俣を隔てて笠ヶ岳が堂々と対峙している。
その右には、双六岳への稜線が長々と横たわる。




後には笠ガ岳が堂々と対峙している。

飛騨沢から千丈沢に向かって
西鎌尾根を雲が乗り越そうとしている

槍の右には遠く浅間山と、八ヶ岳

その右には富士山と南アルプス

南の穂高は、隣の大喰岳に隠れて見えない。

ずっと眺めていたいけれど、そういうわけにも行かない。
ひとしきり展望を楽しんだ後、朝食を摂りに小屋に戻った。


美味しい!もちろん完食! 手作りパン


山荘名物手作りパンは6時に焼きあがるらしい。
キッチン槍の戸口で焼きあがるのを待ち、一番乗りで買い求める。

下界よりはかなり高いものの、今回の山行で楽しみにしていたことの一つなので、ど〜んと奮発する。

・・・と言っても、迷いに迷い、4種類のうち3個だけ・・・(^〜^;)
どうせなら、4種類とも買えばよさそうなものだけど、1000円を越える出費はちょっとためらいがある・・(^▽^;)>゛





大喰岳の横から少しだけ穂高が見える(⌒▽⌒)/


下山の前に、槍の穂先の付け根まで少しだけ登った。
昨日はガスに包まれ見えなかった穂高が少しだけ覗いていた。




常念岳が逆光に浮かぶ


笠ヶ岳の横には、遠く白山



今日はしっかり見えている!




●槍岳山荘出発 (6:25)●


小屋の看板を持って撮影するのがお決まりらしい・・(;^_^A





▲斜面に張り付くようなサイト地


▲飛騨乗越
サイト地の間を通り、10分ほど下ると飛騨乗越。
標高3010メートル。日本一高い峠らしい。

(ちなみに、標高についてネットで調べると、3020メートルだとか3030メートルだとかまちまち。電子国土の地図で見るとどうやら3010メートルかな?)


●飛騨乗越(6:34)●

ここからさらに稜線を辿れば、大喰岳、中岳、南岳、そして大キレットを経て穂高。

南岳まで足を延ばしても、そこから槍平へ下ることが出来る。2時間ほどの回り道。

う〜ん、捨てがたい・・・。
この先、これだけの好天気に巡り会えることができるか・・。

峠には、リンクしていただいている風花師匠に何となくよく似た雰囲気の方が佇んでいらっしゃって、先程の方もここで迷いに迷い、結局南岳に登っていったとおっしゃる。

う〜ん、う〜ん・・・
相方は・・と言えば・・
「お前、明日仕事あるんと違うんか・・」・・と、考えるまでもない・・といった風。

う〜ん、仕方ない!
今日のところは諦めるとするか・・。
それに、今回の山の目的の一つは、まだ歩いたことのない飛騨沢の爽快な下り・・だったはず・・。
常念岳にも別れを告げる⇒

▲ガレの急な下り


▲千丈沢乗越分岐

期待通り、飛騨沢の下りは爽快そのものだった。
正面に朝日に眩しく輝く笠ヶ岳、右に西鎌尾根を見ながら、岩屑だらけの道をジグザグにひたすら下る。

下に、キャーキャーと賑やかな若い男女の一団。
おぼつかない足取りで歩く女の子に、男の子があれこれ手を貸している。・・ホンマにその足取りで槍ヶ岳に登ったの・・?しかも、テント装備!
若いというのは怖いもの知らずやな・・。

(・・というこの本人も、怖いもの知らずのオジオバだ・・


若者達を颯爽と追い越すオジオバ。
(まだまだ若いもんには負けへんでーー!!)


ここで、ズズズズズーーードッデーーン!!・・と尻餅をついては話にならない。細心の注意を払って・・・且つ、さりげなく・・( ̄〜 ̄;)


千丈沢乗越分岐手前で、標高2600m。

●千丈沢乗越分岐 (7:13〜7:20)●


分岐には、エマージェンシーボックスがあった。槍平小屋が好意で設置されているのだと下山後知った。
救急用品や水、ヘッドランプの他に、ガムテープも。
靴のソールが剥がれた時のためだ。
(先日の朝日山行で、同行のMちゃんのソールがパカっと剥がれた。他人事ではない)

▲笠ヶ岳を正面に見ながら


▲奥丸山
乗越を過ぎた辺りから、草丈が次第に高くなり、ダケカンバなどの樹林帯に入る。

陽の差し込まなかった飛騨沢にも、ようやく朝の光が射し始める。

右手正面に奥丸山が見えてきた。
コースタイムでは槍平から1時間半の登り。
・・だけど、そんなにかかるかなぁ・・・
ちょこちょこっと登れそうに見えるけど・・

実は、今日はあそこをピストンするつもり。

渋る相方には、
「大変我がままを言って申し訳ないのですが、ここは一つ無理を聞いたもらえないでしょうか?同行していただければ嬉しいのですが、無理なようなら一足先に下山していただいても構いません」・・という気持ちをこめて

「先に下山して昼寝でもしてたらええやん・・・」

●奥丸山 (標高2440メートル)●

槍穂高連峰と笠ヶ岳の中間にある。
千丈沢乗越から南西に派生する中崎尾根の途中のピーク。
山頂からは、文字通り360度の展望が広がる。特に、穂高の西側の眺めが素晴らしい。

槍平からの道に加えて、2005年秋に、新たに蒲田川左俣のワサビ平への登山道が開かれたらしい。千丈沢乗越からも、尾根通しにルートがある。


このレポでは省いたけれど、2日前の双六小屋で一人の男性から
「槍ヶ岳から槍平への道は、白出沢付近で
通行止めになっている」と聞いたのだ。
その場に居た一同、どよめく。
「知らずに槍平へ下ると、また槍ヶ岳まで登り返さないといけない。」と。

小屋のご主人に聞くと、担当区域外の情報は分からないとのこと。
槍ヶ岳山荘に問い合わせするにも、小屋の公衆電話は故障。携帯は小屋付近は圏外。

その時小屋のご主人から、万が一通行止めの場合、奥丸山へ登り返してワサビ平に下山できる道が最近開かれたと聞いたのだ。

新しいルートは、手持ちの2004年版昭文社の地図には未記載。
同室の方の最新地図には載っていた。


奥丸山。

今まで気にも留めなかった山だけど、今年の春ぐらいだったか、ネットの山レポで目にした。
雪のある頃に登られた記録だった。
頭の片隅に、どういうわけかその名前が引っかかっていた。


奥丸山か・・・。

白出沢付近の通行止めの件は、翌日槍ヶ岳山荘に問い合わせて、穂高へのルートの間違いだったことが分かったけれど、心の中では
「帰りは奥丸山ピストン」の文字が次第に膨らむ。
西鎌尾根からも、下に可愛らしく見えているピークが「おいで、おいで」と呼んでいた。



最後の水場 針葉樹林帯に入る 期待以上の美味しさ!!



●槍平(8:48〜9:08)⇒奥丸山へ●


サイト地の向こうが槍平小屋


槍平小屋は、新築して間もないのか、木の香も漂う小奇麗な小屋だった。
一応小屋の方に、奥丸山へのルートを確認し、不要な荷物は小屋に置かせてもらい出発。
先に下山すると言っていた相方も、「暑い車内で待っていてもしょーない・・」と同行。



テント場の端に登山口。
ガレた川原を少し登り、右の支尾根に取り付く。
木の根につかまりながらの激登り。
・・が、空身なので快調に飛ばす。

途中、単独男性を追い越し、45分ほどで千丈沢乗越からの尾根に飛び出した。

もちろん、槍の肩からは千丈沢乗越経由で来れば、登り返さなくてもよい。
千丈沢乗越への道は、手持ちの地図では破線だけど、しっかりとした道だった。
通る人が少ない分、幾分草が邪魔なような気もするけれど・・。




尾根に出る


千丈沢乗越からの道と合流・・・再び槍ヶ岳と対面


ニッコウキスゲの咲き乱れる稜線を10分ほどで山頂着。
槍平から丁度1時間。
ホントに360度の展望だ!




●奥丸山(10:05〜10:18)●


真正面に滝谷・・雄滝らしい滝も見える



槍穂・・・クリックで大


笠ヶ岳方面・・・クリックで大

先程追い越した方も登ってこられた。
高山の方で、早朝自宅を出発し日帰りとのこと。
けど、よく考えると、日帰りだと登山口から往復10時間はかかる。
脱帽。


大キレットにはプチトマトがよく似合う
(ワンパターンです・・)


快調に飛ばし30分で小屋に戻ってくる。

●槍平(10:55〜11:30)●

槍平小屋で大休止。
カキ氷の暖簾につられて注文。密がたっぷりかかって美味しいことこの上ない!500円也。安い!安すぎる!!

ちなみに、お隣の男性が注文されたカツ丼も、ボリュームたっぷりでとっても美味しそうだった!





小屋から新穂高温泉の登山口まで、コースタイムは3時間半。
・・が、ホントに正味3時間半かかってしまった。

道は次第に沢から遠ざかり、樹林帯の斜面を縫うように下っていく。

今日は槍平小屋泊りらしい登山者に何人か出会う。
ふと沢を見下ろすと、巨大なサイコロ岩!
ちょっとしたビルぐらいの大きさ。
名前が付いているのかな?
●藤木レリーフ(12:05)●
滝谷出合のちょっと手前、
滝谷を最初に登ったという藤木九三の功績をたたえるレリーフ。
●滝谷出合(12:20〜12:30)●

白い大きな岩が折り重なった滝谷を横切る。
流れの上には木橋が架けられている。
かなりの量の清冽な水が、飛沫を上げて流れ下っている。
谷を渡る風が心地良い。

左手を見上げると、滝谷がぽっかり口を開けている。
見える滝は雄滝か。
訓練されたクライマーしか立ち入ることの出来ない領域。
多くのクライマーの命を奪った岩壁がこの奥にそそり立っている。

ここでカメラのバッテリーが切れた。

●白出沢出合(13:20〜13:30)●

滝谷出合から白出沢出合まで、丁度1時間。
白出沢の白い涸れ沢を横切ると、林道に出る。

すぐ左に、穂高岳直登のルートがあるが、白出沢の雪渓がスノーブリッジになっており、通行止めとのこと。
(双六小屋で聞いた情報は、このことと混同されていたらしい)

それにしても、ここから1時間半の林道歩きの長かったこと!

右手の中崎尾根の終わる地点が右俣と左俣の合流点、新穂高温泉になるわけだけど、歩いても歩いても尾根は長々と続いている。
容赦なく降り注ぐ午後の陽射し!


惰性のみで足を動かし続け、やっとのことで3時過ぎバスターミナルに辿り着いたのでした。


●新穂高温泉バスターミナル(15:05〜15:15)●


●駐車場(15:30)●

雲湧く弓折岳付近・・・(駐車場より携帯で撮影)




槍ヶ岳山行レポ、長々とお付き合いくださってありがとう!

数十年ぶりの槍ヶ岳、やはり素晴らしい山でした。
どこまでも天の高みに突き刺さるように聳える岩峰。
山旅の間中、その姿を追い求め、そして山頂へ。

またいつの日か、あの頂に立てる日が来ることを願いつつ・・・。



ところで、自宅に帰るとリンクしていただいている「papamamaほーむ」のおやじさんからメール。

「また山へ登ってるんでしょ!?」

「昨夜遅く槍が岳から帰って来ました(^_^;)
 山散財の挙げ句、明日からの生活にも窮乏しそうです(*_*)」

と返事すると、

「新米を2,3俵送ります。
ご家族まとめて1週間ほど面倒見ましょう!!
おかんがご馳走を作って待っています」 

・・というのは、まったくのウソで
実際は


「槍!?
呆れてもう何も申し上げるコトはございません(´Д`)
どうか極貧生活を心行くまで楽しんで下さい(^_-)」

・・だと。
とほほ・・。
世間の風は冷たいんだわ・・・(;_x)







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