ルネのきままなアトリエ
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―2日目―  その2  ⇒その1へ

〜北穂南稜から北穂高岳へ 涸沢岳を経て穂高岳山荘へ〜


コース 広域地図     コース地図
 6:00 涸沢テント場
 8:30 奥穂分岐
 8:40〜 9:25 北穂山頂(北穂高小屋)
 9:30 奥穂分岐
10:25〜10:35 最低鞍部
11:30〜12:30 涸沢岳山頂
12:40 穂高岳山荘
※小休止省略


●北穂山頂(北穂高小屋) (8:40〜9:25)●


ヘリから下ろした荷物を小屋の方が慌しく運んでいる間、
テラスでのんびり休憩。

ここからの眺めも最高!

次にここに来る時は必ず泊まろう!・・と密かに決意。
いつになるか分からないけれど・・。

北穂高小屋。
北穂北峰山頂にへばりつくように建っている。
よくもまあ、こんなところに建てられたものだと感心するが、この小屋、材料全て創設者の小山さんとおっしゃる方がご自分で運び上げて建てられたというから驚き。
現在は2代目の方が引き継がれているらしい。

ルネオバの若い頃から、絶好のロケーションと心のこもったもてなしで知られていた。
この小屋に泊まるため、涸沢からここまで3時間登っただけで、1日の行程を打ち切っことがある。
(その代わり、翌日、奥穂から前穂を縦走して岳沢から上高地に1日で下る強行軍になったけれど・・)

北穂高小屋HP


キレットを見下ろす。



外国人男性が二人、大キレットに下っていった。
キレットからも何人か登ってくる。



ヘリの荷下ろし済んだようなので再び山頂へ。


ゆっくりと360度の展望を楽しむ。
少し雲が湧いてきた。


北の展望


西から南の展望


南から東の展望




山頂の西側はスパッとキレ落ちた岩壁だ。
「鳥も通わぬ滝谷」と言われ、数々のクライマーの命を奪った垂直の壁。
見ているだけで足がすくむような眺め・・。


山頂に着いて45分が過ぎている。
まだこれから今日の本番、岩稜の縦走が待っている。
山頂を後にする。




松涛のコルの雪渓を慎重に下り南峰直下の涸沢への分岐を過ぎると、岩稜の縦走が始まる。
ストックをサイドに直し、ペットボトルなども落ちないようにしっかり固定。



最低鞍部まで岩場の下りが続く。
すぐ先で男女4人グループに追いつき先行させてもらう。
しばらくして男性2人にも先行させてもらう。

そこから先は涸沢岳直下まで誰にも出会わなかった。




右手の笠ヶ岳も雲に隠れつつある。
振り返れば槍が見守っている。





前穂北尾根と獅子岩(中央下) 
その右上:ザイテングラード(枝尾根・・という意味らしい)



涸沢岳との最低鞍部まで、信州側や滝谷側に巻いたりしながらペンキマークを頼りに調子よく下る。

涸沢岳に向かってそそり立つ岩の壁がだんだん近づいてくる。




まるで岩の壁!

「ラクーーー!!」
壁の中ほど辺りから声が響いた!
と同時に、
がらがらがら・・・・・・と岩の転がる音。
飛騨側の斜面をいくつもの石が深い谷底に向かって真っ逆さまに滑り落ちていくのが見えた。
ざざざざざ・・・・
石は滑り落ちながら更に周りの石を巻き込み、斜面が帯状に地滑りを起こしたように動いている。

何人かの人影が見える。
一瞬人が落ちたのかと思ったが・・・そうではないようだ。
ほっと胸を撫で下ろす。

気を引き締めて出発。




●最低鞍部(10:25〜10:35)●

かなり調子よく下ったのに、鞍部までコースタイム通り1時間かかっていた。
いよいよ核心部はここからだ。



岩場に咲くイワギキョウ


鞍部にて・・・





下から見上げて、どうやって登るんや・・と思った岩壁も、マークに忠実に一歩ずつ登るとそれほどでもない。
ただ、北穂からの下りに比べると、岩が脆く浮石も多かった。





●D沢のコル (11:05)●




V字に切れ込んだ斜面から、眼下に槍平と奥丸山

振り返れば・・



荒々しい岩稜の向こうに北穂 北峰(左) 南峰(右)



ルンゼ状の鎖場をぐぐっと登ると、山頂手前の稜線に飛び出した。
涸沢岳山頂は50メートルほど向こうに見えている。



●涸沢岳山頂 (11:30〜12:30)●

最低鞍部から1時間弱の登りだった。





ガスが湧き始め、北穂の岩だらけのドームが見え隠れしている。



穂高岳山荘と奥穂高岳もガスに見え隠れ


今日はもうガスも晴れそうにない。
奥穂に登るのは明日にして涸沢岳山頂でゆっくり過ごすことに。



♪穂高ランチ♪
カップ麺・ガーリックフランス・プチトマト・ソーセージ・サラミ・チーズetc.
(ほとんど朝食と同じ・・というのがちょっと悲しい・・)




涸沢を見下ろす

山頂で1時間も時間を潰し、穂高岳山荘に。


●穂高岳山荘 (12:40)●


▲テラスから奥穂の斜面を見上げる







▲白出のコルに建つ穂高岳山荘

ザイテングラードを一下りで涸沢の我が家(テント)に戻れる。
が、明日そこを登り返す気力はカケラもない。

夕食までのたっぷりの時間、板石の敷き詰められた前庭でのんびりくつろぐ。3000メートルの稜線の山小屋。
優雅な時間だ。




午後の前穂北尾根


▲寝具も室内も清潔
驚いたことに、シーツが真っ白!

▲食事も美味しい!
隣は和歌山からのご夫婦だった
快適な休憩室。
セルフサービスのコーヒー・紅茶250円
(インスタント)

山の写真集・ガイドブック・雑誌なども豊富。

居心地の良い小屋です。



美しい夕日は見ることができなかったけれど、ほんの少し雲が茜色に染まって夕暮れがやってきた。
明日も好い天気になりますように・・・。



●3日目 奥穂高岳・前穂高岳ピストン・涸沢へ● 


⇒1日目  8月 6日(水) 上高地〜明神平〜徳沢〜横尾〜涸沢(テント泊)
⇒2日目  8月 7日(木) 涸沢〜北穂高岳〜涸沢岳〜穂高岳山荘(泊)
⇒3日目  8月 8日(金) 穂高岳山荘〜奥穂高岳・前穂高岳ピストン〜穂高岳山荘〜涸沢(テント泊)
⇒4日目  8月 9日(土) 涸沢〜屏風のコル〜屏風の耳ピストン〜新村橋〜徳沢〜明神〜上高地







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